7日目。
前日の夕食時に、急きょ販売が決定して一夜が明けました。前日のミーティングの後に結局1時過ぎまで準備をしていたメンバーたち。こちらは、お店の看板となったポスター。カユマンギーのロゴを、ミーティング後に看板班が描き上げました。(ちょっと今日は太田がチャンスを逃す場面が多く、お伝えしきれないのが残念なことがいくつかありました。すみません。)
今朝は、7時30分の朝食時間を過ぎてからの登場で、みんな少し疲れぎの様子でした。朝一で、お店の看板の下書きを持ってましたが、、、なんと素晴らしいものが出来上がっているのでしょうか。この段階では鉛筆での下書きの状態ですが、販売が決定した夕食時から12時間も経っていない出来事でした。
実は、販売決定と同時に、午前中の英語学校の授業の時間を準備に使えないかとお願いしたところ、「英語の勉強をすればOKだから問題ないですよ」と快諾していただきました。カユマンギーという会社の説明、商品の”売り”と説明、アンケート用紙の作成(もちろん英語)、などグループごとに準備をすすめました。
この間、大人3人(谷弘さん、西古さん、太田)は、月曜にもともと予定されていて延期になったAssemblyに出席しました。予定変更だったため、メンバーは参加しませんでした。内容としては、SEEDという農業を通した起業トレーニング学校の卒業式(終業式?)的なもので、GK Farmの創立者の方が来てお話をしていました。
また、フランスのリヨンのビジネススクールと提携しているようで、そこに研修に行っていた方が、フランスでの経験を語っていました。フランスからの大学生のインターンも多く受け入れていて、そちらの方々もこの日で最後ということであいさつをしていました。フィリピンとフランスでビジネススクールの交換留学がスタートしていました。
Assembly終了後、ベニートさんが販売に必要なものの調達に出かけるということで、出かけていきました。
昨日に引き続き、Assemblyにも参加されていた軍人さんたち。ベニートさんはこの方々をターゲットに販売を開始しようと提案してきました。時間は、4時間目中の12時。すでに自分たちの準備が終わっているメンバーが準備に走りました。英語学校の先生も準備を手伝ってくださって、さあ準備OK!と思ったら、すでに軍人さんたちは、整列をされて出発の様子。。。間に合わなかった、、、と思ったら1人の軍人さんが隣のブースのホットドック(?)を買いにやってきました。すかさずベニートさんが軍人さんに声をかけます。
「こっちのクッキーもどう?日本から来た子たちが作ったものだよ」。すると、やや困った顔をしつつもブースの前に来てくれました。商品開発チームが、フィリピンの材料を使った健康的なクッキー、というコンセプトと試食を進めると、1つ買ってくれました。この方を皮切りに、ベニートさんが次々と声をかけて下さり、さらには先日に水牛のアイスクリームの実演をしてくれた方も食べた後、通りがかる人みんなに勧めてくれて、かなり大盛況でした。
ちなみに、価格は1枚15ペソ(35円前後)でフィリピンのお菓子という点で考えると決して安くありません。この日は、計31枚売れました。売れ筋は、生マンゴーを乗せた「マンゴーオントップ(仮称)」、売り切れました。
水牛のアイスクリーム実演をしてくださった方。
手書きで書いてコピーしたアンケート用紙に書いてもらっています。若干、英語がおかしくて慌てて訂正した部分もありましたが、それもご愛嬌。次から次へと来てくださいます。
途中、このベヤニブリューを行商して販売しているお姉系の動きをするお兄さんも、この様子を見に来つつちゃっかり自分の商品を販売していきました。
英語学校に勉強に来ている大学生も買っていってくださいました。
途中、ご自身で飼われている犬種と同じ種類の犬と戯れる谷弘さん。
販売は、ランチタイム12時~13時30分で、シフトなども決めずに販売を開始したので、メンバーはあわただしく交代しながらお昼ご飯を食べていました。
無事に13時30分になり販売終了、と同時にアヒルの卵を加工したGOLDE DUCKというお店で実演を見学に出発。。。しかし、お店のカギが閉まっている。。。実はこの実演、昨日の予定だったものをメンバーの作業の進捗状況と彼らの判断を踏まえ、延期させてもらっていたのです。英語学校の方が問い合わせたところ、延期ということを勘違いしていたのか、1日前に来て待っていたそうです。そのため、こちらは急きょキャンセルになりました。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり(ここでの使用が正しいかは?ですが)。キャンセルになったなら、うちで実演できますよ、ERI SILKのインターンの方が申し出て下さり、見学させていただきました。SILKということで、蚕さんたちです。このメンバーの中には、中学1年生の時の科学教室で絹についてブースを設けた人たちがいて、興味津々に見ていました。確かに、その時の演示を覚えています。すごくよく調べて、実演しているなという記憶があります。
この蚕は、繭の状態から絹をとるときに、殺さなくても外側だけはがせるということで、扱っているようです。ただ、蚕すべてが羽化すると大変なので、一部だけ羽化させてあとはFarm内の養鶏している方に餌として渡しているそうです。代わりに、蚕の餌のキャッサバの葉は、Farm内の別の方からもらい受けているということで、Farmでお互いに協力関係が築かれているのが伝わってきました。
今日の実演は2本立て。2つ目は、チーズの実演。これは月曜日の予定でしたが、材料が間に合わずに延期になっていたものです。(太田はこの時、部屋の水道の修理をする、と施設の方から言われ、部屋にいたので詳しい話を聞けず。。。そして、水の出方の修理というか調整をしてもらったのですが、あまり変わらず。。。)
販売を終えてゆっくり休む間もなく実演2本立てだったメンバーは、この後少し休憩をはさんで、実際に販売したことを受けての振り返りを行いました。
この振り返りもチャンスを逃しました。顔を出した時には終わっており、リーダーの中山君から、「先生ブログに載せるのにすごくいい話し合いだったのに」と怒られました。冷静に、「メモしてるでしょ、見せて」と言って、内容を確認しました。
上がっていた点としては、おつりがない、クッキーの説明がちゃんとできなかった、(販売の決定がベニートの鶴の一声的だったため)組んでいたスケジュールが消えた、それに合わせてすべての納期が早まって大変だった、いろいろ正式に決まっていない、全員がアンケートを答えてくれた、など新高校生徒は思えないしっかりとした振り返りをしていました。
31日に予定していた販売を1日前倒しで実施できたことによって、今日は心にもタスク的にもゆとりがてきました。また、今日は、18時から21時までフランスからのインターンの方々のfarewellが予定されていて、みんなプールを使っていなかったので、特別に時間外に貸し切りで使わせていただきました。今日は全員いて大はしゃぎ。
「千手観音行くぞー」
千手観音
働いた後のひと泳ぎは気持ちいいぜ!と言わんばかりの表情。
インターンのfarewellの会です。食事を持ち寄りで参加でき、MoGチームは販売に出したクッキーの一部を進呈しました。このPartyのために食堂が営業されないので、参加しないと夕食にありつけないというのが実情でした。
みんながノリノリで踊っている(暴れている?)なか、倉上君が英語学校のスタッフさんに連れ出されると、土肥君、細野君、中山リーダーと次々と踊り出しに行き、訳も分からないはずなのに、ほぼ全員一緒になって楽しんでいました。フランス人、フィリピン人、少しの日本人が入り乱れていました。そういう意味では、盛り上がるのに国や人種は関係ないですね。大人3人は、撮影で見守るというスタンスでした。若いって素晴らしいです。
盛り上がった後にようやく食事。しかし、人数に対して食器が足りずに、スプーンやフォークを終わった人から借りる、というなかなか素晴らしいシステム。これはこれで楽しかったです。
食事の後は、各班ごとに作業・準備・ミーティング。この時も素晴らしい瞬間を逃しました。看板作成チームのところで仕事をしていたら、この時にやるべき作業が特になかったメンバーたちが、フィリピンの子供たちとバレーボールをやっているとの情報が。しかし、行った時には終わってしまって写真を撮れず。。。経緯を聞くと部屋の外にいたら誘われて一緒にバレーを楽しんだとのこと。。。こういう日もある、と自分に言い聞かせ、こちらはこちらで新年度の準備を。。。(やや逃避)
1日の最後にライフマッピング。今日はメンバー+西古さん。人生経験を聞くことのできるライフマッピング。人生いろいろあるから、みんな頑張っていこう、というようにも取れるし、話をする人の体験を聞くことで未体験のことを知るチャンスでもあり、自分がその立場だったらどうしているか、と考えるチャンスにもなります。
回数を重ねるごとに間違いなく彼らの「質問する筋肉」はついてきており、様々な視点に立って質問をできるようになってきました。~~だったとおっしゃっていましたが、自分だったら○○してたと思うのですが、なぜそうせずに□□したのですか?などの「自分軸」を用いた質問も出るようになってきています。
質問も豊富になって、気づけば23時20分。
今までは31日を目標にしてやってきたけれど、無事に販売をすることができた。まだ1日販売できるますが、今度は4月2日までに行うことを考えてシェアしましょう。という内容を新高校1年生リーダーが切り出しました。10分で終わる予定が、終わったときには0時を超えていました。さすがに疲れているメンバーもいました。起きているメンバーで、あとでシェアしましょうと言って1日終わりました。
前日からのドタバタを乗り切った彼ら。トップの一声で物事が急転することは、社会に出るとよくあること。それを体験できた彼らはよかったと思います。予定を立てないと進められませんが、予定は未定で決定ではない、と昔から言われていたように、予定通りに進められればきっと世界はもっと変わっています。不確定要素が入ってくるから、本気の力が試され、培われ、様々なリスクマネジメントの感覚が養われていくのだと思います。また、限られた範囲の中でいかにして実行していくか、という「生きる力」を身に付ける最高のプロジェクトに、彼らは参加しています。毎日書いていますが、本当に、目覚ましく成長しています。
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