高等学校の英語の授業では議論することが多くあります。対面授業で話し合うのはもちろんのこと、オンライン授業でも同様に話し合いをします。その際、議論を見える化することのできるHylable Discussionのシステムを利用し、生徒の気づきと自律を促しています。
Hylable Discussionとは、発話量や発話のタイミングから話し合いを分析するシステムです。対面授業で利用している卵型の装置同様に、オンラインでもこのシステムを活用しています。オンラインではリアルタイムで分析を見ることができるため、生徒からは、「誰にどれくらい自分が話しかけているかがわかるのが面白い。」「リアルタイムでの分析であるため、その場で自分の行動を変えることができる。」との感想がありました。
一般的には、いったん各グループで話し合いが始まれば、オンライン上で同時進⾏する議論の様⼦を会議室の外から見たり聞いたりすることはできません。しかし、このシステムを利用すれば、教員は各グループ活動の様子をグラフデータから確認することができます。どのグループがどれくらい話をしているかが視覚的にわかるため、議論が活発なグループを覗きに行ったり、停滞しているグループに加わったり、オンライン上でグループ活動を効率的に支援することができます。
もちろんデータはあとから確認することもできますので、生徒が自分の行動を振り返り、次の活動への意欲へとつなげることができます。
今まではディスカッションをしても生徒同士の相互評価や教員の評価で終わっていました。しかし、このHylable Discussion を活用することで、データに基づく客観的指数から生徒が自分自身の発話を省察し、気づきを得られるようになりました。オンライン上では分析がリアルタイムで可視化されるため、省察のスピードがさらに速くなりました。ICTの活用により、生徒がよりよい自分に変容していく成長のスピードが加速しています。