東北方面2日目は、サンマまるごと一尾の朝食から始まりました。(中にはのんびり朝風呂に入っていた生徒もいたようです。)生徒たちは、朝食を食べて元気いっぱいに追分温泉を出発。昨夜は暗くてよくわからなかったのですが、明るい朝に見ると、とても細い一本道を上がってきたことがわかります。周囲は奥深い山、綺麗な水も流れていました。
最初に向かったのは、東日本大震災の際、大きな被害に見舞われた大川小です。ここでは、献花ののち、事前に作ってきた千羽鶴を奉納。一人一人が、亡くなった子どもたちにために線香を手向け祈りをささげました。
大川小で生徒たちに当時の様子を案内してくださったのは、元小学校の先生で、今は各地で防災教育を進めている徳水博志先生です。生徒たちは、震災当時、大川小の子どもたちがどう津波に遭い、どう逃げ、そしてどう命を落として行ったのかを、まさしくその現場に立って聞きました。先生の言葉に耳を傾ける生徒たちの顔は真剣そのものでした。先生は最近の訴訟のニュースにも触れ、それぞれの立場や思いはわかるけれども、対立し合っても何も生まれない、大切なのは亡くなった子どもや先生たちのことを考えることだと話してくださいました。
その後は、場所を雄勝ローズガーデンファクトリーに移し、徳水先生から防災の話を聞きました。時折クイズを交えて授業のように話してくださった中には、自分の身を守る大切なヒントがたくさん隠されていました。まずは自分の地域を知ること、そして災害が起きた時に自分がどうずべきかについて考えておくことの大切さを学びました。
大川小を後にした生徒たちは、今度は石巻の湊水産へ。湊水産はたらこを製造販売している会社で、東日本大震災時にも大きな被害を受けています。その後、おいしいたらこを届けたいと工場を立て直し、復興を遂げてきた会社です。出迎えてくださったのは、「たらこ先生」こと、社長の木村一成さん。ここで生徒たちは、たらこ作りを体験しました。
まずは、湊水産の震災時から今を伝えるビデオを見せていただいた後、たらこの作り方を教えていただきました。スケトウダラのぬいぐるみも登場。とてもわかりやすくユーモアを交えての社長と奥様のお話に、生徒たちの中からは笑いが途絶えることがありませんでした。
たらこを作るためには、何より愛情が大切です。たらこをつける液を調合したり、たらこを美味しくするコツを教えていただいたりしながら、それぞれがたらこ作りに挑戦しました。「たらこ先生」によれば、おいしいたらこにするためにはお世話が必要です。生徒たちはそれぞれホテルにたらこを持ち帰り、冷蔵庫に保存し、「たらこ先生」から教えていただいた方法でお世話をしているはずです。たらこの完成は、10日の夜です。お土産に持ち帰りますので、どうぞお楽しみに!
お昼は、たらこを入れたおにぎりを食べました。おにぎりも自分たちで握りました。このおにぎり作りは、災害時におにぎりを握ることはとても重要で、ぜひ、おにぎりを握る方法を知って欲しいという湊水産の方からのメッセージです。生徒たちは一生懸命おにぎりを握って食べていました。
湊水産を後にし、今度は石ノ森萬画館へ。ここには、仮面ライダーを始め、石ノ森章太郎さんが描いたヒーローがたくさん展示してあります。中には、漫画ライブラリーやイラストを描くコーナーも。1時間の自由時間はあっという間に過ぎてしまいました。
石巻から、いよいよ本日宿泊する松島へ移動です。松島では、自由散策の時間をとり、自由にお店で買い物をしたり景色を楽しんだりしました。アイスクリームや笹かまぼこ、牡蠣や牛タン饅頭を食べたり、瑞巌寺に行って景色を見たりと、生徒たちは思い思いの時間を楽しみました。
その後ホテルに戻って夕食。本日の宿は、松島を見下ろす「絶景の館」です。露天風呂もあり、生徒たちが楽しみにしていたホテルの一つです。
夕食後は希望者を募って、円通寺のライトアップを見に行きました。ライトアップは今日がまさに見頃です。あまりに美しい光景に、参加した生徒たちからはため息が漏れました。途中ボランティアの方の演奏もあり、なんとも優雅な時間となりました。
戻ってからは夜のミーティング。今までの振り返りと、最終日の高砂中との交流活動の準備を行いました。
2日目も盛りだくさんの充実した1日でした。明日はいよいよ桂島に渡って、漁師体験を行います。どうか天気がもちますように!