Project Tour東北編 最終日
最終日は、いよいよ高砂中を訪問する日です。旅の集大成とも言える高砂中での交流会ですが、その前にまずは最後のお楽しみ「仙台うみの杜水族館」へ。4日目の疲れも出る頃ではありますが、全員元気に千登勢屋旅館を出発しました。
バスの中では、今日の高砂中での交流会の最終確認を行いました。
うみの杜水族館に寄る前に、少しだけ寄り道。高砂中の生徒たちがどんな場所からきているか知るために、高砂中の学区の小学校を回りました。そのうちの一つの小学校は、津波の後居住できない区域となり、現在は廃校になったそうです。海のそばの小学校跡地に建てられた碑を、生徒たちはバスの中から見ました。高砂中は、津波で大きな被害を受けた学校の一つです。そのことを改めて確認する思いでした。
うみの杜水族館では、なんと高砂中の校長先生が待っていてくださいました。校長先生にご挨拶し、午後からお邪魔することを確認させていただき、生徒たちはいざ水族館へ。水族館では、様々な展示や、イルカショーなどを楽しみました。イルカショーでは、見習いトレーナーとしてA組の新保陽菜さんが参加しました。また、ペンギンの餌やりや、自分たちでポーズを作って撮影した写真をデータにしてダウンロードできるサービスなど、思い思いに水族館での時間を楽しみました。
最終日の昼食は、水族館近くのアウトレットパークで自由に食べました。仙台の名産を食べることができるお店や、お土産物もあり、1時間という自由時間はあっという間に過ぎました。
昼食後はいよいよ高砂中へ。お邪魔してまずびっくりしたのは、入り口の歓迎の看板だけでなく、廊下の天井から何枚も下げられた「熱烈歓迎 工学院大学付属中学校」というメッセージ。高砂中さんの温かい心遣いを感じました。また、どこを歩いても、元気な生徒さんの挨拶が響く、そんな学校でした。
生徒会の方に案内していただき入った体育館では、たくさんの生徒の皆さんが、きちんと整列して私たちを出迎えてくださいました。いよいよ交流会の始まりです。
まずは、高砂中の皆さんからのメッセージです。高砂中には、「高中魂」なるものがあるそうです。その「高中魂」には3つの柱があって、そのひとつが「元気に挨拶」ということで、なるほど廊下などでかけていただいた元気な挨拶の意味がわかりました。残りの2つは、「元気に校歌」と、「何事にも一生懸命」ということで、実際に校歌を歌って聞かせてくださいました。高砂中のみなさんの歌声はとても元気で、また、その一貫した団結力にもとても心を動かされました。
今度は、本校から高砂中の皆さんへのメッセージです。進行を担当したのはA組の清水啓瑚君とB組の渡邊黎さん。また、B組の大貫陸君の指揮で、本校も校歌を歌ったのち、友情のフラッグを、担当してくれたC組の針谷夏綺さんと宮澤凜さんから、高砂中の代表の方に手渡しました。
交流会のあとは、高砂中の防災担当の菅野先生から、震災直後の高砂中の様子や、数々の支援、復興への歩みについてお話しいただきました。そしてその中で、自助、共助について教えていただくとともに、何より大切なことを、自分の命は自分で守ることだと教えていただきました。
そのあとは、高砂中の防災展示室や、備蓄倉庫を見学させていただきました。防災展示室には震災時から止まった時計や、全国各地からの支援の声などが展示してありました。
見学が終わると、いよいよ高砂中の皆さんとのワークショップです。「災害時に『私たちができること』『私たちがしなければならないこと』をテーマに、人グループ5人〜6人で話し合いました。限られた時間ではありましたが、各グループで議論し合い、最後にグループごとに発表を行いました。初めて会ったにもかかわらず、どのグループも活発な議論が交わされていました。最後に校長先生からは、自分で判断し行動することの大切さ、そして日頃からしっかりと行動していれば、いざという時にもしっかりと行動でできるのだということを教えていただきました。
帰りの新幹線の時刻も迫り、慌ただしく高砂中をあとにしたのですが、帰り際には、正面玄関を入ったところに、すでに先ほどお渡しした友情のフラッグが飾ってありました。このフラッグは、しばらく飾ったのち、先ほど見学させていただいた防災展示室に飾っていただけるそうです。東京と仙台、遠く離れた中学生がともに学ぶ貴重な機会をいただくことができました。
最後に4日間お世話になった、まなびのたねの伊勢さん、仙台の旅行会社の高橋さん、そして運転手の鱒沢さんにお礼を言って、生徒たちは帰りの新幹線に乗り込みました。
こうして東北方面のProject Tourは、すべてのプログラムを終えました。多くの方と交流し、被災地を巡った盛りだくさんの今回の旅は、生徒たちに大きな学びと気づきをくれたことと思います。