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工学院大学附属中学校・高等学校<公式ブログ>

未来のために考える”栄養不良”、中学3年生の学びをレポートします

 中学3年生のグローバルスタディ、今期最後の授業(50分)をレポートします。
今日は、特定非営利活動法人セカンドハーベスト・ジャパン の溝口喜子様と、御茶ノ水女子大学大学院で栄養教育を研究する西田依小里様を講師に迎え、「栄養不良」をテーマに学びました。
今日は、管理栄養士の資格を持ち、海外の食料支援活動にも携わっている大学院生の西田さんがメインの講師です。


■世界の栄養不良の実態
 授業では、特にアフリカのウガンダにおける栄養不良の問題が取り上げられました。栄養不良には、必要な栄養を摂取できずに痩せてしまう「低栄養」と、安価で栄養価の低い高カロリー食品を摂取することで健康に悪影響を及ぼす「栄養の偏り」の両方が含まれます。
また、栄養不良の要因として、食料不足だけでなく、栄養に関する知識の不足、気候変動による農作物の減少、安全な飲料水の確保の難しさなど、多くの課題が絡み合っていることが説明されました。
栄養に関する知識はまずは母親への教育の必要性があるため、現地の言語を使って実践的な栄養教育も行われている、と西田さんがその活動を紹介しました。


■「命のテープ」体験
 生徒たちは「命のテープ」と呼ばれる「MUAC(Mid-Upper Arm Circumference)」を用いて、栄養状態の判定方法を体験しました。このツールは、上腕周囲の長さを測ることで栄養不良の程度を判定するものです。
実際に測定を行うことで、世界の子どもたちの栄養状況をより身近に感じる機会となりました。


■日本の食品ロスの現状
 授業では、日本における食品ロスの実態についても取り上げられました。西田さんによると、日本の食品ロスの量は世界の食料支援総量と同程度であり、この問題に対する意識を高めることが重要であると説明、西田さんは食品ロス削減の重要性について共有しました。
生徒たちは食品ロスを減らすためにできることについて考え、地元で生産された食品を選ぶ(地産地消)ことや家庭で食品を無駄にしないよう意識する といった取り組みについて話し合いました。


■生徒たちが考えたアクション
 授業の最後には、生徒たちが「自分たちにできること」を考え、次のようなアイデアを発表しました。
フェアトレード商品を購入し、発展途上国の生産者を支援する
•食品を必要な分だけ購入し、食品ロスを削減する
•食料支援のボランティア活動に参加する
•栄養不良や食品ロス問題について「各国の今」をSNSで発信する など

また、西田さんからは、「寄付や募金だけでなく、日々の生活の選択が世界の食料問題と密接に関わっている」というメッセージが伝えられました。


 今回の授業では、世界の子どもたちの栄養不良の現状を理解するとともに、日本における食品ロスの課題についても学びました。生徒たちは食に対する意識を高め、日常生活の中でできる取り組みを考える機会となりました。

 中学3年生の「グローバルスタディ」最後の授業となりますが、 今後も授業での学びを活かし、持続可能な社会の実現に向けた行動を続けていきましょう。幅広い学びでより多くの知見を得て次世代を担う生徒の皆さんに、大いに期待しています。

講師の皆さま、このたびは貴重な機会をありがとうございました。(広報室)

セカンドハーベスト・ジャパン

2hj.org