JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL OF KOGAKUIN UNIVERSITY <OFFICIAL BLOG>

工学院大学附属中学校・高等学校<公式ブログ>

【中学3年生】カカオの向こうに広がる世界へ―ニカラグアから「カカオとSDGs」特別授業

こんにちは、広報室です。
6月5日(金)、今日は、中学3年生を対象にグローバルスタディの授業として、JICA海外協力隊とオンラインでつながる特別授業を行いました。講師はニカラグアでカカオ生産組合の経営支援に携わる田口秀嗣さん。テーマ「カカオとSDGs」をレポートします。

授業の冒頭では、田口さんが現地の暮らしや文化、ニカラグアの基本情報を紹介してくださいました。
北海道と九州を足したほどの面積を持つこの国では、人口の多くがスペイン系と先住民の混血である“メスティーソ”で構成され、豊かな自然のなかで農業や畜産が営まれています。しかし、中等教育の卒業率は35%と低く、多くの子どもが経済的理由などで進学を諦めざるを得ない現実もあることが生徒たちに共有されました。

「ところで、皆さんは”チョコレート”がどこから来るか考えたことはありますか?」
話題は次第に、私たちに身近な「カカオ」へ。
カカオの木の特徴、果実の構造、発酵や乾燥といった工程、そしてチョコレートが完成するまでの複雑な流れが詳しく説明され、生徒たちは“おやつの裏側”にある長い道のりを知ることに。

また、近年話題となっている「カカオショック」――過去50年変わらなかったカカオの取引価格が3倍に跳ね上がった現象について、その背景にある老木化や異常気象、さらには先物取引の影響などが、田口さん自身の現場での体験を交えて語られました。

特に印象深かったのが、「闇カカオ問題」についてのお話です。 品質の低いカカオが流通してしまう背景には、貧困や文化的な慣習があり、倫理的なジレンマを抱えながらも日々の生活を守ろうとする農家の姿があること。こうした実情に、生徒たちは聞き入っていました。

後半には質疑応答の時間が設けられ、「農薬にこだわる農家はいるの?」「マフィアの流通って本当に儲かるの?」「あと何年くらいカカオの高騰は続くと思いますか?その理由は?」」「中学や高校の勉強が今役に立っていることは?」など、生徒たちの素直で鋭い質問が飛び交いました。田口さんは「割合の計算が意外と今の仕事に役に立っている」など、自身の経験を交えて丁寧に答えてくださいました。

授業の最後に田口さんが投げかけた一言―― 「チョコレートを食べるとき、今日の話をちょっとだけ思い出してもらえたらうれしいです。」

世界と自分のつながりを「実感」として持つことができた50分間。
田口さん、身近なチョコレートから遠い国の世界を知るきっかけとなる貴重な機会をありがとうございました。(広報室)