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工学院大学附属中学校・高等学校<公式ブログ>

【中高大連携講座・中学3年生】東京薬科大学のプログラムに参加しました

9月27日(土)、中学3年生は東京薬科大学での特別プログラムに参加しました。
キャリア教育の一環として実施されたこの取り組みは、科学の現場に直に触れる貴重な機会です。

午前中は全員が薬用植物園や史料館を巡り、薬学部の先生から薬剤師という職業についてお話を伺いました。薬草がどのように薬の原料として利用されてきたかを知り、薬剤師が人々の健康を支える仕事であることに理解を深める時間となりました。

午後には希望者14名が、生命科学部 生命医科学科 腫瘍医科学研究室(小林大貴先生・結城加奈子先生)による実習体験に参加しました。テーマは「がん分子標的治療薬について知ろう」。慢性骨髄性白血病の細胞(K562細胞)や急性前骨髄球性白血病の細胞(NB4細胞)を対象に、薬剤処理を行ったサンプルを顕微鏡で観察しました。

比較のポイントは、細胞の大きさや核の形・大きさ、核と細胞質の比率(N/C比)、さらに細胞質の色の違い。DMSO(無処理のコントロール)と、治療薬として知られるイマチニブ、ATRA(オールトランスレチノイン酸)で処理された細胞を見比べることで、薬剤の作用が形態的な違いとして現れることを確認しました。
顕微鏡をのぞいた生徒からは「本当に違う」「薬で細胞が変わるのがわかる」といった声があがり、メモやスケッチを取りながら研究者のように真剣なまなざしで観察に取り組んでいました。

当日、生徒たちを引率した進路指導部の鐘ヶ江先生は次のように語っています。
「将来の夢や進路先がまだ定まっていない子供たちですが、大学水準の実習に触れることで、その一歩を踏み出すきっかけになってほしいと思います。」

細胞という未知の世界を体験したこの時間は、生徒たちの心に新たな扉を開くものとなりました。この日の経験から、未来の医療や研究を担う人材が育つかもしれません。

本校では2021年に東京薬科大学と高大連携協定を結んで以来、大学のご協力をいただきながら、このプログラムを毎年中学3年生で実施しています。義務教育の最終段階にあたる時期に大学の研究や学問に触れることは、自分の将来を考える大切な契機となります。中高大連携の学びとして積み重ねることで、生徒たちは「学ぶことの意味」を実感し、進路を主体的に考える力を育んでいます。(広報室)

東京薬科大学(八王子市)

www.toyaku.ac.jp