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工学院大学附属中学校・高等学校<公式ブログ>

【インターナショナルクラス中学1年生・英語】環境倫理に迫る!中学生のディスカッションレポート

今日の中学1年生の教室では、深く、そして柔軟な議論が教室に広がっていました。
Cambridgeの教科書”Shape it!3”のユニット「How can we save our planet?」。環境問題についての章で、このクラスでは”Environmental Campaign Pitch”と題し、Global(世界)またはLocal(地域)の環境問題について紹介、将来のために何をすべきかをグループで考えてきました。

この日の授業では、「気候変動」「森林破壊」「動物実験」「森林火災」など、それぞれがフォーカスした地球規模のテーマをグループで発表したあと、質疑応答に進む授業が行われていました。多様な視点を自然に行き交わせる学習環境の中で、生徒たちが「世界をどのように理解し、どのように向き合うか」を探る時間。思考が言葉を通って形になっていく瞬間が、随所に見られました。

“世界をどう捉えるか”を問い合う時間へ

気候変動を扱ったグループでは、こんな問いが生まれました。

「私たちが節電しても、一部のリーダーがプライベートジェットを使うなら不公平ではありませんか?」

ここには、「個人の努力は社会全体の構造とどう関係するのか」という問いが潜んでいます。 自分の行動の意味を、より大きな枠組みとつなげて考えようとする姿勢は、哲学的な思索の入口でもあります。

森林破壊の議論——言葉の奥にある“前提”を探る

「Save the Trees, Save the Planet」というタイトルで発表を行ったグループへの問いかけは次のようなものでした。

「惑星は消えません。何を“救う”のでしょうか?」

これは、“言葉は何を前提にしているのか”“誰のための言葉なのか”という、哲学的な問いそのものです。 発表側は、「酸素がなくなれば生き物が生きられない」と答え、議論は「人間」「動物」「生態系」という概念へと広がっていきました。
言葉を疑い、概念の輪郭を見直す。中学生が自然とそのプロセスに入っていく姿に、思考の成熟を感じます。

動物実験のグループ——“倫理の一貫性”を見つめる

動物実験の議論では、次々と反問が生まれました。

「薬の安全性はどうやって確かめるのですか?」
「動物を食べたり革製品を使ったりするのはどう違うのですか?」

生徒たちは、現実の必要性と倫理的な理想の間で揺れながら、それぞれの考えを表現していきます。 “善い行いとは何か”“正しさとはどこにあるのか”——こうした問いもまた、哲学の中心にあるテーマです。

白熱した森林火災の議論——自然と人間の関係を問い直す

森林火災の議論では、自然のあり方そのものが問い直されました。

「雷による山火事は自然なものですよね。火災のあとにしか育たない植物もあります。それでもすべての火事を止めるべきでしょうか?」

自然の循環、人間の生存、安全への配慮——答えが一つに定まらない問いに、中学生たちは真剣に向き合い、言葉を慎重に選びながら発表側はこう返します。

「昔は自然に任せられたのかもしれません。でも私たちは“今”を生きています。生き残るためには”防ぐ”必要があります。」

“人間中心の視点”と“自然の視点”のぶつかり合い。発表者がそう言いながらも未だ答えに迷う様子は、教室にさらに小さな哲学対話の渦を生み出していきます。

教員は“知識を教える人”ではなく、“問いを深める人”

この授業では、数名のネイティブの教員が授業に参加し、まるで教室に議論の渦を生むように質問を重ねていきました。時に笑いながら、時に厳しい顔つきで。
発表者に投げかけているようで、クラス全体に広がる波紋。生徒たちが自分の思考をさらに深め、自在に思いを巡らせていくための“伴走者”がそこにいました。

自分の視点で世界を読み解く力を育てる

途中、「いまだけ日本語で良いですか!」という生徒。日本語のほうが伝えやすいツールである瞬間だったのでしょう、伝えたい”思い”が先に溢れているのがわかります。今回の授業で見えてきたものは、語彙力や文法を超えて、「世界をどう理解し、どう対話するか」という力でした。

・公平性や責任のあり方 ・自然と人間の関係 ・倫理の一貫性 ・言葉の前提と意味

どれも大人にとっても簡単ではないテーマです。 その複雑さに向き合いながら、自分の言葉で問い、考え、議論する姿は、まさに探究的な学びそのもの。
この教室で育っているのは、世界を自分の視点で読み解き、自分の言葉で語れる生徒たちであるのがわかります。

教室は、終始リラックスした空気の中、それぞれが対等に会話を重ねている様子が印象的でした。
白熱した議論は当然、時間切れ。残る3グループのテーマによるディスカッションでは、どんな新しい問いが生まれるのか。次のディスカッションを心から楽しみにしています。(広報室)