本校2年の大西さんは、文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」〈高校生・STEAM〉に採択され、 米国ノースカロライナ州での1年間の留学に挑戦しています。現地の高校に通いながら、 ノースカロライナ州立大学AIアカデミーの研究室で、生成AI領域の学びと実践を深めています。
まずはレポート第一弾として、現地での学びについて大西さんから届いたレター(原文のまま)でお伝えします。


「答えを探す」から「問いを立てる」へ
― AI時代における英語教育と研究者的思考 ―
はじめに
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIの発展により、私たちは「調べればすぐに答えが得られる」環境に身を置くようになりました。英語学習や探究活動においても、AIは非常に強力な支援ツールとなっています。
一方で私は、研究を進める中である疑問を抱くようになりました。 「AIが簡単に答えられる問いを立て続けることに、研究としての価値はあるのだろうか」という問いです。
本稿では、私自身の失敗や試行錯誤を通して得た気づきをもとに、AI時代における研究姿勢と、英語教育における新たな可能性について述べます。
研究を通して気づいた「科学者として考える力」
探究活動を始めた当初、私は多くの情報を集め、それらをつなぎ合わせることで「それらしい」研究を作ろうとしていました。
インターネット上の解説記事やブログは分かりやすく、短時間で多くの知識を得られるため、非常に魅力的です。
しかし次第に、それらの情報をいくら集めても研究が前に進まないことに気づきました。 原因は明確でした。
情報の正確性や背景を十分に検証せず、「分かった気になる」ことに満足してしまっていたのです。
研究者にとって重要なのは、知識量そのものではなく、
● なぜその情報は正しいと言えるのか
● どの条件下で成り立つのか
● 何がまだ分かっていないのか
を考え続ける姿勢、すなわち「科学者として考える力」であると学びました。
ChatGPTが答えられる問いと、答えられない問い
生成AIは、既存の膨大なデータをもとに「もっともらしい答え」を出すことができます。 そのため、既に整理され、言語化された知識を問う質問に対しては、非常に高い性能を発揮します。
しかし逆に言えば、
● 前提条件が曖昧な問い
● 教育現場の文脈や学習者の特性を踏まえる必要がある問い
● 正解が一つに定まらない問い
に対しては、AIにも限界があります。
私はこの点に研究の可能性を見出しました。
「AIが簡単に答えられない問いを立てること」こそが、人間が研究を行う意義であると考えるようになったのです。
研究テーマ:AIとアクティブラーニングを活用した英語教育
現在私が取り組んでいる研究テーマは、以下の通りです。
米国教育現場で主流となっているアクティブラーニング型授業を参考に、国内中等教育機関において、予測困難な現代社会を生き抜くための英語コミュニケーション能力を育成する。そのために、組み込みAIと連携した英語コミュニケーション練習ツールの可能性を探る。
英語を「正しく答える教科」として学ぶのではなく、 状況に応じて考え、伝え、修正する力を育てることが目的です。
AIは教師や学習者に代わる存在ではなく、 学習者の思考を可視化し、試行錯誤を支援する「補助的存在」として活用されるべきだと考えています。
失敗と試行錯誤から学んだこと
研究を進める中で、私は何度も計画を立て直しました。
完璧を求めるあまり、現実性の低い計画を立てては修正を繰り返し、自分の未熟さに落ち込むこともありました。
特に、成果を出している研究者や開発者と自分を比較し、 「なぜ自分はあの人たちのようにできないのか」と悩んだ時期もあります。
しかし今振り返ると、その試行錯誤こそが研究そのものであったと感じています。 研究は一直線に進むものではなく、迷い、立ち止まり、考え直す過程を含んでいます。
探究活動に取り組む後輩へ
これから探究論文を書く生徒や、研究者・開発者を目指す後輩に伝えたいことがあります。
それは、
「他者と実績だけで自分を比較しないこと」
そして、
「分かった気になることに満足しないこと」です。
分かりやすい情報に触れること自体は悪いことではありません。しかし、それを鵜呑みにせず、
「本当にそう言えるのか」
「自分ならどう検証するか」
と一歩踏み込んで考える姿勢を大切にしてほしいと思います。
おわりに
高校生である私の知識量には限界があります。 しかし、考え続ける力、問い続ける姿勢は、これからいくらでも育てることができます。
点在していた知識や経験が、いつか一つの形としてつながる日を信じて、これからも研究に取り組んでいきます。
― AI時代における英語教育と研究者的思考 ―
はじめに
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIの発展により、私たちは「調べればすぐに答えが得られる」環境に身を置くようになりました。英語学習や探究活動においても、AIは非常に強力な支援ツールとなっています。
一方で私は、研究を進める中である疑問を抱くようになりました。 「AIが簡単に答えられる問いを立て続けることに、研究としての価値はあるのだろうか」という問いです。
本稿では、私自身の失敗や試行錯誤を通して得た気づきをもとに、AI時代における研究姿勢と、英語教育における新たな可能性について述べます。
研究を通して気づいた「科学者として考える力」
探究活動を始めた当初、私は多くの情報を集め、それらをつなぎ合わせることで「それらしい」研究を作ろうとしていました。
インターネット上の解説記事やブログは分かりやすく、短時間で多くの知識を得られるため、非常に魅力的です。
しかし次第に、それらの情報をいくら集めても研究が前に進まないことに気づきました。 原因は明確でした。
情報の正確性や背景を十分に検証せず、「分かった気になる」ことに満足してしまっていたのです。
研究者にとって重要なのは、知識量そのものではなく、
● なぜその情報は正しいと言えるのか
● どの条件下で成り立つのか
● 何がまだ分かっていないのか
を考え続ける姿勢、すなわち「科学者として考える力」であると学びました。
ChatGPTが答えられる問いと、答えられない問い
生成AIは、既存の膨大なデータをもとに「もっともらしい答え」を出すことができます。 そのため、既に整理され、言語化された知識を問う質問に対しては、非常に高い性能を発揮します。
しかし逆に言えば、
● 前提条件が曖昧な問い
● 教育現場の文脈や学習者の特性を踏まえる必要がある問い
● 正解が一つに定まらない問い
に対しては、AIにも限界があります。
私はこの点に研究の可能性を見出しました。
「AIが簡単に答えられない問いを立てること」こそが、人間が研究を行う意義であると考えるようになったのです。
研究テーマ:AIとアクティブラーニングを活用した英語教育
現在私が取り組んでいる研究テーマは、以下の通りです。
米国教育現場で主流となっているアクティブラーニング型授業を参考に、国内中等教育機関において、予測困難な現代社会を生き抜くための英語コミュニケーション能力を育成する。そのために、組み込みAIと連携した英語コミュニケーション練習ツールの可能性を探る。
英語を「正しく答える教科」として学ぶのではなく、 状況に応じて考え、伝え、修正する力を育てることが目的です。
AIは教師や学習者に代わる存在ではなく、 学習者の思考を可視化し、試行錯誤を支援する「補助的存在」として活用されるべきだと考えています。
失敗と試行錯誤から学んだこと
研究を進める中で、私は何度も計画を立て直しました。
完璧を求めるあまり、現実性の低い計画を立てては修正を繰り返し、自分の未熟さに落ち込むこともありました。
特に、成果を出している研究者や開発者と自分を比較し、 「なぜ自分はあの人たちのようにできないのか」と悩んだ時期もあります。
しかし今振り返ると、その試行錯誤こそが研究そのものであったと感じています。 研究は一直線に進むものではなく、迷い、立ち止まり、考え直す過程を含んでいます。
探究活動に取り組む後輩へ
これから探究論文を書く生徒や、研究者・開発者を目指す後輩に伝えたいことがあります。
それは、
「他者と実績だけで自分を比較しないこと」
そして、
「分かった気になることに満足しないこと」です。
分かりやすい情報に触れること自体は悪いことではありません。しかし、それを鵜呑みにせず、
「本当にそう言えるのか」
「自分ならどう検証するか」
と一歩踏み込んで考える姿勢を大切にしてほしいと思います。
おわりに
高校生である私の知識量には限界があります。 しかし、考え続ける力、問い続ける姿勢は、これからいくらでも育てることができます。
点在していた知識や経験が、いつか一つの形としてつながる日を信じて、これからも研究に取り組んでいきます。

今後も、現地から届く大西さんのレポートを本校公式ブログにて順次お届けします、どうぞご期待ください!(広報室)
※留学の詳細や経緯については、本校公式ホームページをご覧ください