サイエンス部天文班に所属する高校2年生5名とOB1名で天体観測に重きを置いた遠征を2026年3月15日から18日にかけて行いました。星景写真・星野写真・天体観測に加えてサバイバルも行うハードな内容でしたが2年間の部活動、福島での夏合宿を経験したメンバーだからこそ実施に至りました。

遠征地は長野県にある入笠山です。南アルプスの赤石山脈北端に位置し、標高は1995mあります。1780m地点までゴンドラに乗り、大荷物を背負い雪が残る道を歩いて拠点まで向かいました。

幸いにも天気が良かったため、明るいうちに周辺の下見も兼ねて山頂まで登りました。ゴンドラを降りて見えた八ヶ岳も大変綺麗でしたが、2000mに近い山頂からみる360度の景色は格別でした。

満場一致で山頂で天体観測を行いたいということになり、拠点に戻って夜の活動に向けて体力を温存しながらも食事を作ったり仮眠をしたりしました。あんなにも晴れていた空が少しずつ曇ってしまい晴れ待ちをすることになりました。

生物観測も兼ねて夜中に山頂を目指して朝を迎えました。カメラや荷物が凍る寒さで一晩を過ごすには更に対策を練るべきだと2回目の夜に向けて作戦を立て始めました。朝はゆっくりしながら、野鳥観察に行く者や、火の管理をする者、睡眠をとる者など各々過ごしました。

昼間は拠点にある大きなブランコや円盤状のソリを使って体を思い切り動かしました。想像以上に盛り上がりましたがまさに体を張った雪上訓練でした。
今回は顧問が所属し、幼少期からキャンプや野外活動を行っているボーイスカウト世田谷22団さんの野営地をお借りして実施することができました。野営地を管理しながら、山でのイロハを教えてくださった場長と世田谷22団さん、ありがとうございました。

全て手作りで作ってきたという野営場は確かにホテルやペンション、ケビンなどとは違って不便さがありますが、自分で薪を割り火を起こして入ったドラム缶風呂や沢の水で生活するなど、味があり、部員たちにとっては非日常を体験できる最高の場所だったに違いありません。

新月が近い日程を選んだこともあり夜道は暗く、遠くからはフクロウやシカの声が時たま聞こえる大変静かな道でした。自分たちが雪を踏み締める音が大きく聞こえました。顧問がお世話になってる入笠湿原前の山彦荘のおじさまは最近は家の前にテンが来るよ、なんて教えてくれました。羨ましい限りです。2回目の夜は薄雲が素早く流れる時間帯が長く焦らされてる間に体が冷え、カメラは凍り……という感じでした。合間にオリオン座を撮った部員もいました。

最後の夜である3回目の山頂アタックは素晴らしいほどの快晴でした。この後に載せてある部員が撮影した写真を見てもらえばわかりますが、冬の午前3時からの天の川は言葉が出ない程の美しさと壮大さがありました。風も穏やかだったのもあり、少しばかり寒さも忘れ「地球の自転とまってくれ」というほどあれだけ待ち遠しかった太陽が昇らずに満天の星空をずっと眺めたり写真に収めたり、その先にある銀河に想いを馳せながら時間を過ごしました。少しずつ明るくなると星は薄れ、「早く太陽昇って温めてくれ」という願いが強くなりました。雲海も凄くて神秘的でした。帰りは雲の中を通りながら7時過ぎに拠点に戻りました。
【部員写真】
(転載がないように、ご協力よろしくお願いします。顧問が写真の説明を一言、載せました。彼等の考えたタイトルではありませんのでご留意ください)

↑O.S.さん
天の川と活動写真/山頂看板とオリオン座

↑T.F.さん
Seestarを用いての撮影/天の川の星野写真
天の川の星景写真/街々を見下ろしての活動写真

↑Y.S.さん
Seestarで撮影したM101(おおくま座方向の渦巻型銀河)/NGC5907(※書き手の推測なので間違っていたらごめんなさい)

↑N.S.さん
朝日と八ヶ岳連峰/天の川と高山帯の木々

↑J.T.さん
山頂看板と星空/冬に見る蠍座
街明かりとオリオン座
【OB撮影】

↑T.K.先輩
上写真のシカに気づけますか、OBや生物班長がシカを見つける頻度が高く流石だなと感心しました。しっかし、シカしか哺乳類は見られませんでした。足跡は多く残っていましたがゴンドラがイヌも乗車可能であることからイヌの足跡や散歩している方も多かったです。
【おわりに】
サイエンス部になる前の天文部では、このような活動もしていたのかなと想いを馳せながら6年目にして実現した天体遠征でした。積極的に自然に向き合ってきたこのメンバーでなくては実施に至らなかったと改めて思います。この挑戦を許可してくださった学校とご家庭には感謝しています、月齢と学年末時間との兼ね合いもあり、毎年とはいきませんがまた挑戦したいと思います。
帰りはみな、焚き火の香りを纏いながら中央線で八王子へ。つくづく良い場所に学校があるなとも感じて、記録を終えたいと思います。
【リンク】
参加した部員の天体写真記事
https://kogakuin-jsh.hatenablog.jp/entry/2026/02/10/110229