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【硬式野球部】バングラデシュ訪問に向けた説明会レポート

硬式野球部では、
今期もInternational Sports Collaboration2026-2027 として、
バングラデシュ訪問を予定しています。
まずは、渡航に向けた第一歩として、現地でストリートチルドレンの
支援活動を行っている団体「 エクマットラ」代表 渡辺大樹さん
をお迎えし、硬式野球部の生徒・保護者を対象とした説明会が行われました。

この日の説明会は、これから部員一人ひとりが自分の意思で考え、各家庭で話し合いながら参加を検討していくための時間です。会場には多くの保護者の姿もあり、質疑応答では食事や安全面、体調管理、現地での生活について、具体的な質問が寄せられました。

渡辺さんの話は、バングラデシュの基本情報や渡航中のスケジュールにとどまりませんでした。
ストリートチルドレンの支援に関わるようになったきっかけ、バングラデシュで野球を広めてきた歩み、そして現地の人々が持つ、人と人との距離の近さ。
熱のこもった語りに、会場は次第に引き込まれていきました。

なかでも印象的だったのは、バングラデシュの人々の熱量について。

渡辺さんは、こう語りました。

「バングラデシュの人たちは、もっと、もっと熱いです。エネルギーにあふれています。日本では少し味わいにくくなった、昔懐かしい熱さや距離感がある。バングラデシュでの経験は、人間と人間の触れ合い、そのエネルギーに触れることができる。それは、むちゃくちゃ大きなことだと思います」

この言葉が示すのは、バングラデシュ訪問が単に海外へ行く経験ではないということ。目の前の相手にまっすぐ関わること。互いの文化や生活の違いに触れること。便利さや効率だけでは測れない、人と人との濃い関係の中に身を置くこと。
その時間が、生徒たちにとって大きな学びになります。

バングラデシュのもてなしについても、渡辺さんはユーモアを交えて紹介しました。
現地の人々は「人に食べさせることが大好き」で、食事の席では、相手を迎えたい、喜ばせたいという思いから、次々と料理をすすめられることがあるそうです。渡辺さんはその様子を「カレーのわんこそば状態」と表現、ストップするときはこうして皿を手で覆うのだ、と示す姿で会場には笑いが起こりました。

一方で、異文化に触れることは、相手の文化を尊重しながら、自分の状態や気持ちも大切にすることでもあります。現地の食事や生活習慣を体験することは大切です。しかし、食べきれないとき、苦手なことがあるとき、困ったときには、きちんと意思表示をしてよい。相手を尊重することと、自分を押し殺すことは違います。違いを受け止めながら、自分の状態も正直に伝えること。それもまた、国際交流の中で学ぶ大切な姿勢です。

質疑応答では、生徒たちからも率直な質問が出ました。

会場がひときわ和んだのは、「僕は大きな虫が苦手なのですが、虫は?」という、日々肉体を鍛える高校球児の本音を垣間見た質問でした。想定していたのは、どうやらバッタのような大きな虫。
寝苦しい夜にそんな虫が体を這ったら…確かにぞっとします。
渡辺さんからは、1月の時期は蚊が少し出る程度で夜は蚊帳の中で寝る、と説明があり会場にはほっとした笑いが広がりました。

未知の国へ行くからこそ、不安もあります。
食事は合うのか。体調を崩したらどうするのか。虫はいるのか。生徒や保護者の素朴な疑問に一つひとつ答えていく中で、バングラデシュという国が、少しずつ現実味をもって近づいていきました。

説明に使われたスライドには、前回までの渡航で出会った現地の球友たちの姿も映し出されました。会場には、前回の渡航を経験したメンバーもいます。
画面に映る仲間たちを懐かしそうに見つめる表情からは、その出会いが一過性の海外体験ではなく、生徒たちの中にしっかりと残っていることが伝わってきました。

渡辺さんは、今回の訪問について「目的は国際交流です」と語りました。
甲子園を目指して野球に打ち込むことはもちろん大切です。しかし、それだけではない。人間育成、礼儀、そして世界の人たちと関わる経験。
渡辺さんは「野球のテクニックだけじゃないはずです。英語やジェスチャーで伝えていく、その経験はこれからの人生に大きく役立つはずです」と、生徒たちに語りかけました。

現地では、バングラデシュの野球チームとの野球交流に加え、母子支援施設で生活する子どもたちとの交流も予定されています。渡辺さんは、子どもたちと一緒に体を動かしたり、野球を教えたり、反対に現地で親しまれているクリケットに触れたりする時間があることを紹介しました。

野球を教える、教わるという一方向の関係ではありません。初めて出会う相手と同じ場所に立ち、同じ遊びやスポーツを通して笑い合うこと。
そこには、言葉を越えた関係づくりがあります。

また、渡辺さんはこれまでの野球交流を振り返りながら、「現地のチームの選手たちは、皆さんの練習メニューを学び、姿勢を見て、目の色が変わっています」と話しました。互いの姿勢に触れ、学び合う時間が、グラウンドの上にも、施設での交流の中にも生まれています。

説明会の後半、渡辺さんが「この時点で行きたいと思った人?」と問いかけると、多くの部員が手を挙げました。

もちろん、実際に参加できるかどうかは、これから家族で話し合い、日程や費用、本人の意思などを含めて慎重に考えていくことになります。それでも、その瞬間に多くの手が上がったことは、渡辺さんの言葉が生徒たちの心を動かしたことを物語っていました。

すでに部員たちと共に2度のバングラデシュ渡航を続けてきた雨宮監督からは、「自分の子どもなら、参加させたいと強く思います」という言葉もありました。
それは、参加を強く促す言葉ではなく、これまで現地で生徒たちの変化を見てきたからこその実感です。言葉や文化の違いに戸惑いながらも、同じグラウンドに立ち、相手のまなざしや熱量に触れる。そうした時間は、生徒が自分の当たり前を見つめ直し、人との関わり方を深く考える機会になります。
野球の技術だけでは測れない、人としての成長につながる時間。
これまでの渡航で生徒たちの変化を見てきた顧問だからこそ、その価値を実感をもって語っていました。

今回の説明会は、1月のバングラデシュ訪問に向けた第一歩となりました。
これから生徒たちは、それぞれの家庭で話し合いながら、自分自身の意思で参加を考えていきます。(広報室)
(International Sports Collaboration2025-2026)

参考リンク:
■エクマットラJapan

ekmattra.org


■International Sports Collaboration2025-2026(実施概要・公式ブログリンク)

International Sports Collaboration 2026 硬式野球部バングラデシュ訪問レポート | 工学院大学附属中学校・高等学校