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工学院大学附属中学校・高等学校<公式ブログ>

多摩美術大学「高大連携授業」実技講座2日目レポート

こんにちは、広報室です。
今日は先日行われた、多摩美術大学が実施する「高大連携授業」実技講座2日目の様子をレポートします。

多摩美術大学の高大連携校の生徒を対象とした実技講座、今年は油画、工芸、メディア芸術、建築・環境デザインの各学部による4つの講座がありました。
本校から参加した高校1、2年生の5名は、全員が「建築・環境デザイン」の講座を選択。他校の生徒たちと共に「空間をつくる・体験する」をテーマとした2日間の実技制作に取り組みました。

設計図から立体へー”空気怪獣フクランダー”の制作
実技講座では大学院生が手がけた設計図を読み取ることから始まり、半透明の養生シートを用いて実寸大の「柱」と「屋根」を制作しました。最終目標は、人が入り込むことのできる巨大な空気膜インスタレーション「空気怪獣フクランダー」を完成させること。
この企画を担当した大学院生は、「13本の柱と一枚屋根というパルテノン神殿のようなスタイルのシンプルな構成に」「事前に1/2スケールで試作をした」と言います。
実技講座1日目に設計図を見ながら養生シートの切り出しと装飾を済ませて、2日目のこの日は平面から立体へ。カラフルなテープでシートの張り合わせ、作業が行われました。

さて、立体となる巨大バルーンに空気を入れていきます。
ブロワーを作動させるたびに薄い壁は生き物のように脈動し、倒れては起こし、穴を塞いでは膨らませる作業を繰り返し。

息の合った協働作業の結果、スタジオいっぱいに広がった「空気怪獣フクランダー」は、フワフワとしながらも全員が屋根の下に収まるほどに自立することができました。当初、屋根の下(柱の間)で実施予定だった講評は、「屋根の中の空間が面白い」という発見から場所を変更し、全員で屋根の内側の空間へと移動しました。

柔らかな光に包まれた即席セッション
柔らかな光が全員を包み込む中、制作した作品の揺らめく薄い壁を見上げながら、感想を語り合う即席セッションが始まりました。「建築はビルなど硬くて四角いイメージをお持ちかもしれませんが、このような柔らかな表現も可能なのです」と湯浅准教授。

協力して人が入れる空間を作り上げた初体験が「とても楽しかった」と語る声。
「絵は得意ではないんですけど」と打ち明けつつ、美大の魅力を確かめたくて参加して、制作過程の面白さに目を輝かせる姿。
作業中のトラブルを乗り越えるたびにみんなで微笑む瞬間。
建築に携わる父の背中を見て育ち「建築に触れる機会を待っていた」と話す生徒。
大学院生の助言を受けながら作品が膨らんでいく過程が「たまらなく楽しかった」。
“つくる”行為そのものに魅了され、「環境や都市開発に興味があり”環境デザイン”の名称に惹かれて」参加した生徒も。

多様な動機、多様な気づき。けれど共通していたのは、協働して作り上げた柔らかな空間がもたらした“共有する喜び”です。

理工系から芸術へー多様なアプローチが生む建築の可能性
フクランダーの設計を主導した大学院生の一人は、理工系の建築学科で構造力学や法規・施工などを学んだ後、芸術的な視点を建築に取り入れるため多摩美術大学大学院へ進学した経歴を持っていました。「理工では構造計算や法規、施工などを広く学びましたが、いまは西洋美術史など幅広い知見で自由な発想を磨いています」と語ります。理工で培った実践的な設計視点を土台に美大で学ぶ豊かな発想力。その掛け合わせがフクランダーの骨格を支えていました。

工学院大学附属校としてー建築分野への新たな視座
工学院大学の附属校として、内部推薦においても建築学部は人気の学部です。
今回の体験を通じて、「建築」という言葉が示す世界の広さと多様なアプローチに気づきを得た生徒たち。幼い子どものように空気と戯れる高校生たちの姿を見ているだけで心が温まる思いでした。のびやかに自身の未来を見つめてほしいと思います。

多摩美術大学の皆さまをはじめ、関係各位の皆様には、このような豊かな学びの機会を提供していただき心から感謝申し上げます。(広報室)

参考:多摩美術大学 建築・環境デザイン学科

www.tamabi.ac.jp