
サイエンス部天文班(以下、天文部)の高校1年・A.Yさんが、「星空案内人(準案内人)」の認定を取得しました。
「星のソムリエ®」として知られる資格制度で、全7回の講座と実習を経て認定される資格です。
この資格では、天体の知識だけでなく、実際に「星空を案内する力」が求められます。
小学3年生の頃から天体に興味があったAさんは、校内に天文台があることをきっかけに工学院を受験したといいます。
天体観測が日常の延長線上にある環境に惹かれて、天文部や天文台のある学校を探したそう。
入学後はもちろん天文部に所属し、観測や観望会のサポートを重ねてきました。


部活動では、天体望遠鏡にカメラを取り付け、天体写真を撮る活動も行っています。
カメラを使って一つの対象をじっくり追いかける時間も、天文学の大切な学びの一つですが、その一方で、Aさんはこう話します。
「私は、天体望遠鏡を覗いて、いろいろな星を見ていく時間が好きなんです」
カメラでの撮影中は望遠鏡を動かせないこともあります。
だからこそ、できるだけ観測そのものに身を置いていたい。
そうした時間の積み重ねが、自分の学びの原点だと語ります。
大型の天体望遠鏡を備える本校の天文台を舞台に行われた、小学生対象の観望会では、Aさんが望遠鏡を操作しながら、その瞬間に見ることができる天体を一つずつ案内しました。


その観望会では、ゆっくりと対象に焦点を合わせていく巨大望遠鏡を見ていた小学生から、
「どうして動くんですか?」
との声が上がりました。
その仕組みは理解しているはずでした。
けれど、説明しようとすると言葉がうまくまとまらない。
「自分が納得がいくようには答えられなかったんです」
その経験が、赤道儀や望遠鏡の構造を改めて学び直すきっかけになりました。
なぜ動くのかを、自分の言葉で説明できるようになりたい。
相手と理解を共有できるところまで踏み込みたかったのです。


最近は、塾の帰り道の夜9時に、空を見上げるのが日課だといいます。
晴れた冬の空、”冬のダイヤモンド”を構成する星々をひとつづつ確かめるAさん。
日常からふと離れて夜空を眺める、星との静かな対話の時間です。
好きだから星を観る。
観るたびに、気づきが増え、
もっと知りたくて、また空を見上げる。
その積み重ねの中で、星の「伝え方」も少しずつ変わり、
やがて、人と共有できる瞬間が少しずつ増えていく。
Aさんはこうも話しています。
「言葉のキャッチボールはあまり得意ではないんです。初対面の人と話すのも苦手だけど、星のことだったら気にせず話せる。星を媒介に人と話すのが楽しいんです」
得意・不得意という枠を越えて、星を介すると自然と対話が深く、豊かになる。
その実感が、彼女の挑戦を支えています。

将来は、「プラネタリウムで星を解説する仕事に就きたい。」というAさん。
同じ空を見上げながら、星の魅力を共有し、”もっと知りたい”をサポートして奥深い星の世界へ導く人に。
星のソムリエへの挑戦は、星を「観る人」から、星を「伝える人」へと歩みを進める、その一歩となりました。
機会があれば、本校の天文台から星空を眺めてみてください。
Aさんが案内する星空散策で、同じ空を見上げる時間を体験していただければ幸いです。(広報室)
※星のソムリエ®は、星空案内人資格認定制度運営機構が管理・運用する登録商標です。
参考:公式ブログ
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