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【中3】屋上天文台で「白昼、こと座のベガを見る」授業②

昨日に引き続き、中学3年生B組の理科Ⅱ、白昼の天体観測のレポートです。

昨日が5限の13時~でしたが、今日は1限なので9時~10時。
この時間の違いだけで星の位置はかなり変わります。
今日はまず「金星」を。
金星はベガよりはるかに近い位置にあるので、金星は比較的簡単に全員の視覚の中にゲットされました。金星は太陽と地球との位置関係による欠けが見られます。既に授業で学んだ金星について先生が生徒たちに質問しつつ理解を確認していきます。

 

「そろそろベガも見れる角度かな‥」とドームの開口部と望遠鏡を「こと座のベガ」に合わせてみます。望遠鏡の角度は天に向かって直角に近い。
昨日はほとんどの生徒が眼中に収めることができなかったベガですが、今日も同じく生徒の不慣れな瞳では捉えられない様子。
それに比べ、慣れた先生の目では、遥か遠いベガも“即時発見”です。
“先生のそのメガネに白点が書いてあるんだな!”とか、“瞳孔が大きいのか!”など生徒たちに言われながらも、大きな宇宙にある小さな点をとらえるには高度な望遠鏡越しでも、そのフワフワとした瞳ではなかなか難しいもののようです。

  

さて、天文台での雑談から生徒たちの質問を抜粋してみましょう。

>天体ドームと天体望遠鏡でいくらくらい?
全部で2千万くらいですね。全部寄付なんですよ、当時の卒業生が寄付で天文台作れって言ってね。18年くらい前かな。大きな望遠鏡が1千万くらいですよ、みんな今日は1千万にもたれかかって望遠鏡を覗いていたことになる(笑
上に乗っている小型の望遠鏡、こちらは固定しなくてもいいので家庭でも使える最大サイズかな、50万円くらいです(写真)

天文台東日本大震災のときは大丈夫だったんですか?
望遠鏡は動きましたね、なので業者さんに調整してもらって。地球でたった数ミリでも遥か遠くの距離を考えるとその数ミリが一大事!なんですね。

>もっと大きいドームにしたらいいのにー!
屋上だからね。このサイズが重量として限界だったんですね。実はドームの値段って大きくてもそんなに違わないんですよ、大きくてもいいんだけど、建物の構造上の制約ですね。

>今日はなんで1千万の大きな望遠鏡を使わないんですか?
そう、小さな50万円のほうの望遠鏡を使ったよね。
それは昼間だからなんですね。明るすぎるの、大きな望遠鏡だと目がやられちゃうの。大型の望遠鏡だと通常の3千倍くらいの光を集めるからね。夜はもちろん大きな望遠鏡を使いますよ。

“金星”や“こと座のベガ”、少し詳しい人なら「夏の星座」であることに気付いてますでしょうか。
そう、昼間に見るから「夏の星座」がいま(冬の日中に)見ることができるんですね。
夜間はもちろん「冬の星座」が観測できるということになります。

と、いうわけで、俄然テンション上がったみんなの気持ちを代弁するとこちら。
>「夜の天体観測会はいつなんだ!!」
実はコロナ前までは夜間の天体観測会を行っていました。
夜遅くなるから、中学生は保護者の方にお迎えにきていただくのが条件だったので、保護者のほうが星に夢中になっちゃったりしてね。夜に星を観る機会を復活しようね。冬のほうが見やすいからね。寒いけど。

そんなこんなで、次の機会には夜の天体観測会のご紹介ができれば幸いです。
どうぞお楽しみに。

 

左:會田先生 右:山口(夏)先生
天文部顧問の會田先生ですが、専門は化学。
山口先生は夜の天体観測会主宰、専門は生物です。


【中3】屋上天文台で「白昼、こと座のベガをみる」授業①はこちら

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