「バングラデシュの闇と光」をテーマにダッカ市内のスラムを訪問し、路上生活者と児童労働の現場を見ました。
生徒の感想です。
Day2の始まりはバスでの渡辺大樹さんのバングラについての話から始まりました。その話の中で一番印象に残っているのは、ストリートチルドレンの成り立ちについての話です。ストリートチルドレンはダッカの中心地であるバスの駐車場にバングラデシュの各地からいろいろなことを目的に集まってくるそうです。それらの目的は主に貧困から抜け出すためですが、中にはDVから逃げるための人もいると聞きました。ダッカに集まった彼らは親分になってくれるような仕事を分け与えてくれる大人に会うことで生活を築くのですが、出会う大人によってその質が大きく変わるということで、それは不条理で理不尽だなと感じました。
その次に私は渡辺さんとダッカの町のローカルな部分を見に周りました。そこで私は、ダッカ住民は自分たちの生活でたくさん住民同士が助け合いをしているなと強く感じました。先ほど述べたような、親分的存在の元で仕事を分けてもらい子供たちが何とか生活をしていたり。食も住居もない人はレストランで職とまかないと寝泊まりをさせてもらっていると聞きました。実際に見た光景では、広場で女性の方が周りの子にカレーを振る舞っている様子が見れました。定職に就けず儲けが不安定な子達は日雇いで働いていると聞き、一日一日を生きる必死さを身近に感じました。
町周りの中で訪れたゴミ分別を仕事にしている男性の方とお話をしたところ、その方から我々に今の彼ら貧困層の問題や現状を生の声で聞くことができました。彼は、この貧困の現状は近年一切、解決の見込みがなく、政治を根本から変えるしかないと訴えていました。私は政治が関わるほどのとても大きな問題を初めて目の当たりにし、彼の訴えを直に聞き、その壮絶さに圧倒されたと共に彼らにはどうすることも出来ないのかなと、届かぬ声に心が痛くなりました。
最後に向かった生鮮市場では、鶏やヤギなどの肉類や、主に川魚をメインとした魚介類がその場で締められている姿を見ることができました。市場には生き物の鳴き声や処理されない糞や尿、生物にたかるハエが充満しており、そのインパクトに脅かされました。その環境はとても衛生的であるとは思えませんでした。あまり住民にとっては問題視されてるように感じませんでしたが、この不衛生さは問題なのではないか?と感じました。
夜に訪れたスラム街では土葬に囲まれたなにか不気味な雰囲気でとても人が住んでるとは思えないようなところにたくさんの人が密集して暮らしていました。
僕たちが入っていけたように各家庭にプライベートが守られているとはとても考えられませんでした。アンディーさんから聞いた話で、トイレは共通ということなので、プライベートがないのはもしかしたら全員で家族的な感覚なのかなと考えました。
この他にもたくさんの経験ができましたが、なにより強く感じたのは貧困層はみんなが一致団結して過ごしているように感じました。働きも食も共に提供し合う様子に、彼らが毎日を必死に生きているという現実を肌で感じさせられました。
午後はソーシャル・ビジネスを展開するグラミンを訪問し、ノーベル平和賞受賞者でグラミン創業者であるモハマド・ユヌスさんのユヌスセンターとスタートアップ会社が集うインパクト・ハブにて、ビジネスと問題解決についてお話を伺いました。
生徒の感想です。
グラミンのビルから見る光景は、何か不思議でした。映画やアニメの世界で見るような一つの地域が発展しすぎて、それを見下ろす資本家みたいな感じでした。そのビルは12階建てで近未来的な建造物でした。それまでいたダッカの都心部とは違い、ペットボトルすら中にはもって入れないほど、3Rを促進し持続可能な社会を目指していました。ここでどれだけ頑張っても変わらないとも思いましたが、それがその国の現状であり、変えて行かないといけないと感じました。こんなにもバングラデシュという国を変えたいと思う人がいることがわかりました。
路上生活をする子供たちとスラム、そしてソーシャルビジネス企業を訪問しました。その対比に気持ちの整理が追い付かない状態です。リキシャとバスと車の大渋滞でクラクションの鳴り響く喧騒の中を歩きながら、自分には何ができるのかを考えています。