新成人の「約2人に1人」(2019年現在)が外国籍の街…新宿。工学院大学新宿校舎での授業も今年度残り3回となりました。彼らが持つコミュニケーション能力は、ここ新宿では既に、今、必要とされていると実感します。学びを深め、いつでもどこでも活躍する人材となるべく彼らの挑戦は続きます。
今日の一枚は哲学と中国語の授業から。文字について考える1日になりました。
では報告を始めます。
ロバート先生のMath。学び合いながら進みました。
現代社会日本語版。
予算編成のプロセスや税についてレクチャーしました。ケインズの理論、ワイズスペンディング「賢い支出」(東京都の予算編成のビジョンにケインズ理論が反映しています)、ロールズの富の再分配(社会的公平をどう考えるか)、ブキャナンの財政赤字と政治の関係等々を踏まえて、現在話題の国家予算をPBLで生徒にデザインしてもらいます。
ウー先生の中国語。日本は中国から漢字文化を輸入しましたが、現在の中国の文字はとても簡素化されています。授業後ウー先生にインタビューしました。ウー先生は台湾出身で、台湾では日本でも用いられている漢字を現在も使っているそうです。そのため日本で使われている漢字に愛着があるそうです。一方で中国と日本の「戦略的パートナーシップ」を考えた時、現在の中国語を学ぶ必要があること、現に中国の地下鉄や様々な表示は(依然として漢字文化を維持している)日本企業が請け負い、(ハングルを用いる)韓国企業は参入するのが難しい現実があることを教えて下さいました(要因は他にもあると思われますが)。共通する文化や記号を持つことは関係性を築く場合、大切な要素でありアドバンテージになるということですね。10数年前タンザニアのザンジバル島で出会ったタンカーの乗組員の中国人と英語と筆談を用いて同じアジアの民として意気投合したのを思い出しました。中国語を学ぶ意義を感じます。
ジェームズ先生のPhilosophy 。
先週の八王子大学校舎の内容も少々報告させて頂きます。テーマは「死について」でした。ホームルームでイェール大学の哲学の人気講師シェリー・ケーガン 先生が書いた『DEATH』を紹介してあります。イスラエルの歴史家ハラリ氏の著書『サピエンス全史』『ホモ・デウス』も含め同書を「是非読みたい」とクラスの日誌にリアム君は記していました。主体的に手に取る書物が増えれば増えるほど、そして、対話すればするほどに自身の思考力は深まっていきます。哲学の授業で多く発言する生徒たちは日常の学びや対話の中で自然に思考力が養成される背景があると思われます。授業では誰もが避けることのできない「死」についてのディスカッションが展開していました。
(写真は先週撮影したもので、工学院大学八王子校舎で最も新しい建物2号館で実施)
本日のテーマは「ジェンダー(性差)」。「男」「女」を用いた言語から知り得ることは何か、よりスタートです。異性に配慮しながら見解を述べる生徒が見られましたが、いつもと同様、対話で授業は展開していきました。
主体性、多様性、協働性がこのコースの強みであり、生徒とともに大切に実践に繋げていきたいキーワードです。ホームルームで「クラスメイトの良いところは」について一人一人の生徒に書いてもらい、一人一人にフィードバックしています(現在進行中)。自己肯定感を高めていきたい、そして、相互に認め合い関係性を更に深めチームの力を高めていってほしいと願っての試みです。もうすぐ2年生、明日は現2年生の探求論文発表を視聴します。後輩たちの良きモデルになる日が近づいています。先輩たちから多くを学ぶ1日にしましょう!
ビル風肌をさす新宿…行き交う人々の多様性を感じながら新宿校舎を後にしました。