Project Tour2日目は、良い天気であけました。
暗いうちに宿についた生徒たちは、朝起きたら、意外なほど海が近かったことにびっくりしたことでしょう。
朝ごはんを食べたら、いよいよ出発です。今回は分宿したため、それぞれの宿をバスが回って生徒たちを乗せて行きました。
それぞれの朝です。
今日の最初の目的地は戸倉公民館です。
戸倉公民館は、震災の津波で全壊、職員2人が亡くなった経緯があります。南三陸町は、2014年、志津川中と統合した戸倉中の旧校舎を活用し、同公民館として再利用することを決定し、2016年9月に再開しました。
2日目の今日も、佐藤誠悦さんにご同行いただき、戸倉公民館の周囲を歩きながら、当時の様子をお話いただきました。戸倉中では、校長先生のとっさの判断で、誰1人命を落とすことがなく、生き延びたそうです。適切な判断の重要性を感じます。
戸倉公民館の次は、震災復興祈念公園での佐藤さんによる講話、そして、高野会館でのホテル観洋の副支配人、昆野さんの講話を、2グループに分けて30分交代で伺いました。
震災復興祈念公園には、骨組みのまま残る町防災対策庁舎や、南三陸町の犠牲者名簿を安置した石碑のある「祈りの丘」などがあります。
市街地と公園をつなぐ中橋を渡り、まずは防災対策庁舎跡へ。
女子たちのグループは、昨夜の宿のおかみさんから、この防災対策庁舎での、命がけの呼びかけの話を聞いたばかりです。みんなと一緒に、黙祷しました。
階段を上り、「祈りの丘」に向かいます。
一方の高野会館は、震災遺構としては珍しい民間震災遺構で、2日目の宿泊先である南三陸ホテル観洋さん所有の建物です。当時の高野会館のスタッフ等の判断により、327名の高齢者や近隣の人と犬2匹の尊い命が助かったそうです。周囲の盛り土と比較しながら当時の地上レベルや、建物に描かれた津波浸水高を実感できる貴重な施設です。
11月の東北はとても寒く、高野会館の周りを歩きながら冷たい風に吹かれた生徒たちは「寒い、寒い」と言いながら、暖かいバスの中に戻ってきました。ほんの数十分の寒さの辛さで、2011年3月、水に濡れ、雪の中、寒さに耐えた人々の苦しみがどれほど過酷なものだったかを想像するには、十分だったことでしょう。
見学の後は、南三陸さんさん商店街に移動してモアイ像の前で記念撮影です。
記念撮影後は、南三陸さんさん商店街で自由に昼食を取りました。
午後は、6カ所に分かれて体験プログラム開始です。生徒は6つのプログラムの中から2つを選び、前半後半で移動しながら、体験しました。
以下は、6つの体験プログラムの様子です。
まずは、自分の命は自分で守る、そしてもし余裕ができたら、誰かを助かる、そのためのスキルを学ぶ時間でもありました。
以下は、南三陸体験プログラム学習より
② オクトパス君絵付け
「南三陸町の名産品であるタコをモチーフにした置物「オクトパスくん」は、「置くと」試験に「パス」するという語呂合わせから誕生した受験合格祈願グッズです。文鎮「オクトパスくん」に色を塗り、世界で一つだけのオリジナルオクトパスくんを作ります。」
③ フォトフレーム作り
「南三陸杉を使用したフォトフレームづくり体験です。切り分けたパーツを組み立て、自然塗料で好きな色を塗れば完成です。
木の風合いが優しい、時間の経過による『経年変化』が楽しめるフォトフレームです。」
④ 復興玉作り
~広大な海に浮かぶ目印「浮き球」は沈まない~ということから、復興を願い「浮き球」をモチーフとしたストラップをつくります。
⑤ ふりかけ作り
「海で育った海産物や海藻を使って、秘密のタレを入れ、オリジナルのふりかけを作ります。海産物や漁師さんのお仕事のお話も聞けて学べる、海づくしの体験プログラム」
⑥ 雑魚食堂
いろいろな魚の特徴を学びます。なんと生の魚の観察や解剖まで!
本物の魚が登場して、実際に観察しています。
観察の後は解剖へ。
実際に見る生徒と、ビデオ越しに見る生徒に分かれます。
体験プログラム終了後は、ホテルへ。
部屋で一息ついたら、早速夕食です。
夕食後は、佐藤誠悦さんによる講話がありました。新型コロナの影響で、佐藤さんにとって、今年最初で最後の対面講話ということで、今までの語り部活動の集大成とも言える熱のこもったご講演でした。
聞いている生徒たちの顔も真剣そのもので、2日間たくさんのことを伝えてくださった佐藤さんの大切なメッセージが届いているようです。
見る、聞く、そして感じること。まずは自分の身を守る方法を知ること、人が人を救う大切さ、そして「使命」。生徒たちの心には、どんな言葉が届いたのでしょうか。
最後の質問コーナーでは、活発な質問が出て、佐藤さんからもお褒めの言葉をいただきました。
最後に佐藤さんから、色紙のプレゼントをいただき、みんなで記念撮影をしました。
佐藤さん、2日間、本当にありがとうございました。
※ 今回のProject Tourでは、来年3月の佐藤誠悦さんの特別番組など、いくつかのメディアが同行しています。
いよいよ、Project Tourも後半戦です!