〜海外研修(GP)につながる学び〜
高校2年生は、12月実施の海外研修旅行(Global Project:GP)に向けた事前学習の一環として、芝公園近くにあるASEANセンターを訪問しました。今回はタイとブルネイ、それぞれの訪問予定グループが合同でフィールドワークに参加し、「東南アジアをASEANの視点から捉える」ことをテーマに学びを深めました。

ASEANという枠組みから世界を見る
まず、生徒たちはASEAN(東南アジア諸国連合)について学びました。ASEANは東南アジアの国々によって構成される地域協力機構で、現在11か国が加盟しています。これらの国々を合わせると、人口規模は世界でも有数となり、国際社会における影響力を増しています。
ASEANの特徴的な点は、「全会一致」による意思決定と「内政不干渉」の原則です。文化や政治体制の異なる国々が協力を続けるための重要なルールであり、多様性を尊重する地域としての在り方が見えてきます。
また、日本は地理的に東アジアに位置するためASEANの加盟国ではありませんが、東京にASEANセンターが設置されていることからも分かるように、非常に密接な関係を築いています。背景には、日本の少子化による人口減少と、東南アジア地域の急速な人口増加・経済成長があります。今後の国際社会において、ASEANの存在感はさらに大きくなることが予測されています。

ブルネイ:豊かな資源と新たな挑戦
ブルネイについては、その経済構造や社会の特徴について学びました。GDPの約6割を石油産業が占める資源国家であり、日本はその天然ガスの主要な輸入先の一つです。
一方で、近年は観光業や金融業への転換にも力を入れており、持続可能な発展に向けた取り組みが進められています。人口は日本の地方都市よりも少なく、非常にコンパクトな国家であることも特徴的です。
また、文化面ではイスラム教に基づく生活が根付いており、モスクの建築に見られるアラベスク模様や偶像崇拝の禁止など、宗教観が都市景観にも反映されています。世界最大級の水上集落など、独自の生活文化も生徒たちの関心を引きました。
さらに、歴史的なエピソードとして、日本と関わりのある人物の話も紹介され、国際関係の中で人と人とのつながりが果たす役割についても考える機会となりました。
タイ:独立を守り続けた国
タイについては、東南アジアで唯一、列強による植民地支配を受けなかった国である点が強調されました。その背景には巧みな外交があり、日本とも長い関係を築いてきました。
現在でも王室への敬意が国民生活に深く根付いており、日に2回流れる国家や、不敬罪の存在など、独自の社会制度についても学びました。また、日本の皇室との関係や、歴史的なエピソードを通じて、国家間の信頼関係がいかに築かれてきたのかを理解しました。
さらに、現代の政治情勢として、クーデターや政治対立なども取り上げられ、安定しているように見える国でも複雑な課題を抱えていることが伝えられました。
「違い」を学びに変える
今回のフィールドワークで生徒たちが強く感じたのは、「同じ東南アジアでも国ごとに大きく異なる」という点です。ブルネイとタイを比較するだけでも、宗教、政治、経済のどれをとっても多様な姿が見えてきます。
こうした違いを理解し受け入れることは、これから実際に現地を訪問する上で非常に重要な視点です。また、ASEANという枠組みが、そうした多様性を包み込みながら機能していることの意義にも気付くことができました。

GPに向けて
12月の海外研修では、生徒たちは実際に現地に赴き、現地の人々との交流や調査活動を行います。今回のASEANセンターでの学びは、その土台となる重要な経験となりました。
急速に成長する東南アジアは、今後の進路選択においても大きな可能性を秘めた地域です。すでにASEANへの進学や留学を視野に入れる動きも広がっています。
本校では、こうしたグローバルな視野を育む学びを大切にし、生徒一人ひとりが自らの未来を主体的に考える力を養っています。今後のGPでの探究活動にも、ぜひご期待ください。
