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工学院大学附属中学校・高等学校<公式ブログ>

【中1】フィールドワーク①「八王子織物工業組合」

 「はちはく」見学後、他のグループは涼しいバスで向かうなか、私たちは、36℃かつ、アスファルトの強烈な照り返し、また太陽がちょうど真上で、日陰がほぼないという都市砂漠のような環境下で、40分程度歩かなければなりません。

 

放射線通りという名称も、何だかそりゃないよね、などと言う声も聞こえてきますが、本来の名付けられた意味とは少し違いますが、その気持ちもわからなくもないです。口から出る言葉は、暑い暑い、みんな一緒で、引率教員としてはちょっと怖いくらいでした。という私も日傘をさしていましたが、無関係に汗が滝のように流れてきます。滝は言いすぎかもしれませんが。。。途中の赤信号で待っている際、商業施設から流れてくる冷気にさえ癒やしを生徒たちは感じていました。ちょうど放射線通りを渡ったところで、まだ半分なので、このままではまずいと教員が判断し、コンビニエンスストアで、涼みながら飲料水を購入しました。生徒から、チューブに入っている固形の甘い凍らせたものも、これは飲料であるという主張が、教員を含めグループ協議にて全会一致で可決され、身体の中から冷やすことができました。もしかしたら、これも想い出の1つなのかもしれません。いずれにせよ熱中症になる生徒は一人も出ずに安堵しました。

 

 さて、八王子織物工業組合に到着すると、私たちは2グループに分けて、多摩織の体験学習と織物組合の歴史についてうかがいました。

織物体験では、伝統工芸士の方も2人来ていただき、直接指導を受け、生徒たちの織り方もスピード感があり、予定よりも早く完成しました。仕上がりもみんな予想以上に上手でした。と言っては、申し訳ないですね。すみません。経糸は同じでも、横糸が違うだけで、織り上がりの色や趣が全く異なります。横糸の大切さがわかったと思います。これだけの布を織るにも、約40分かかります。

 

Q:一着作るとしたらこのペースなら何時間かかるでしょうか?想像できますか?

A:おそらく熟練したお針子さんでも3日はかかるはずです。(イギリスではそうです)

服の生地となる布を織る大変さを感じたことと思います。あとは、写真を見れば一目瞭然なので、これ以上は語りません。

 

最後に、講話をいただいた織物工業組合牧田専務のお話から、教員として驚いたことをメモのなかからいくつかご紹介して終わりたいと思います。

 

①八王子織物業の全盛期は、八王子労働人口7/8は織物業関連であった。

放射線通りの大きな商業施設ビル(企業名は書けませんが)には、昔はすべて織物業者が入っており、20社がずらーっと並び、店を構えていた。

③戦後はネクタイ生産の約6割が八王子産であった。

平安時代の有名な高僧である西行が読んだ句にも、すでに「浅川」と「桑都」という八王子のキーワードが入っており、今日も私が越えた浅川を、昔は西行も越えていた。

 

「淺川を 渡れば富士の 雪白く 桑の都に 青嵐吹く」西行11181190

ご覧いただきありがとうございました。