NPO法人長池フュージョンさんを訪問しました。同法人は広範囲にわたる公園管理を請け負っています。その一つである八王子の長沼公園に生徒たちは集合しました。
長沼公園はスタジオジブリ制作『平成狸合戦ぽんぽこ』の舞台、多摩丘陵にある公園です。ニュータウンとしての景観と多摩丘陵の自然とが混在している中に公園があるという印象です。
訪問中「さざんか さざんか 咲いた道 たき火だ たき火だ 落葉たき あたろうか あたろうよ しもやけ おててが もうかゆい」、童謡「たき火」の2番の歌詞が頭の中に繰り返し流れたのは、なんのことはない、生徒が体験した「おちばかき」と童謡の「おちばたき」のサウンドが被ったのが原因でした。
生徒たちが体験したのは秋から冬にかけて公園管理の一環として行う「落ち葉かき(落葉掻(おちばかき)…冬の季語)」です。集めた落ち葉は「落ち葉焚(た)き」ではなく「腐葉土(ふようど)」として、公園の肥料として活用されます。また、落ち葉を掻(か)くのは太陽光を地表にあてて、落ち葉に埋もれていた新芽の発育を春に向けて促進することにつなげるためです。さらに、落ち葉の下に隠れていた昆虫は野鳥の餌になり、公園内の生態系のサイクルを活性化することにつながるということです。落ち葉掻きにはそのような意味があったのかと得心したところです。
公園管理から、普段気づかなかった、里山や自然環境の保全ということを学ぶ契機になりました。
長沼公園を散策、落ち葉掻き体験の後、長池フュージョンの方々にインタビューの時間をいただきました。案内をしてくださった職員の方々に生徒たちは積極的に質問していました。「社会性と経済性をどう両立していくか」という事業の展開について興味を持ちつつ、どうして今の職業に就いたのか、案内してくださった方々にキャリアガイダンスの一助にという思いで最後に質問させていただきました。
「昆虫(生物)が大好きだったから」
自分の興味関心をつきつめていったら、ここにたどり着いたということでした。好きなことをとことん見つけてやってほしい、と生徒たちにエールもいただきました。
将来、生徒たちが自分自身の関心や持ち味、強みを育み、社会でどのように活躍しているのか、夕暮れ迫る長沼公園を後にする生徒たちの後姿に思いを馳せました。
自然を保全しながら設計された公園を舞台にのびのびと学べた1日となりました。