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工学院大学附属中学校・高等学校<公式ブログ>

【高1キャリアプロジェクト】 放射線の実験 12月14日

東京都市大学 理工学部 原子力安全工学科 の羽倉尚人先生をお招きし、高校化学実験室にて、「霧箱による放射線の観察」「はかるくんによる放射線の測定」を行いました。

 

まずは放射線とはどのようなものなのか、講義からスタートです。

聞いたことや利用シーンをなんとなく知っていることがあっても、詳しいことまではなかなか知らない放射線。理系志望者が多いだけあって、興味深々で真剣に聞いていました。

 

そして、お待ちかね、通常目に見えない放射線を可視化させる実験(霧箱)です。

放射線源が入った箱の内部でエタノールを気化させ、下からドライアイスで冷やします。横からライトを当てると…

白い筋のようなものが見えます。これが、放射線の通った跡(放射線の飛跡)だそうです。飛行機雲と同じ原理で観測されるものなんだそうです。

絶えず飛んでくる放射線に、みんな釘付け。ワークシートを利用し飛跡の長さや個数、飛び出す時間の間隔を測ってみたり、スケッチも熱心に行っていました。

 

続いて、放射線の量を測ってみるプログラム。

放射線量を表す単位のうち、人体に及ぼす影響の大きさを表す「シーベルト(㏜)」がどの程度かを測る機械をお借りし、測定します。

単位は「μ㏜/h(マイクロシーベルト毎時)」

校内のいろんな場所で実際に測定してみると、場所や時間によって、飛んでいる放射線の量が違うことが分かりました。どうやら工学院高校、特に化学実験室は、数値が東京都の平均より高いよう(先生曰く、コンクリートに囲まれているから?とのこと)。

 

放射線、と聞くと、人体に悪い影響があるのではないか、というイメージがありますが、実際には、常に微弱の放射線に被ばくしている状態であること、そして、医療や工業の分野でも広く活用されていることを学びました。


生徒からはこのような感想が得られました。

・自分は生物分野の細胞や遺伝子などに興味があるので、放射線と関連した研究をしてみるのもいいなと思った。

放射線は様々な技術に応用されていて感心した。原子が関わっていたので面白かった。

 

東日本大震災に伴う原発事故の直後は放射線についてよくニュースなどで耳にしていましたが、今の高校生にとっては幼いころの出来事です。教科書でしか学ばない放射線について理解を深め、少しでも身近に感じることができる体験であったと思います。放射線の分野に限らず、学校で習うこと以外にも広く興味をもち進路を考えるきっかけになってくれたらうれしいです。