5月26日(火)の高校2年生の「終礼」は「合同HR」と位置づけて、論文指導において様々な分野で活躍され、本校の生徒たちにも大学受験を始め、多大なる貢献をして下さっている、神崎史彦先生に「探究論文これから」をテーマにオンラインで講義をしていただきました。総勢250名あまりに及ぶ、大きなミーティングでした。
今回の講義のポイントは、「調べ学習」を終えた生徒が、今後取り組むべき「研究の要件」と「説得の方法」です。
「研究の要件」とは・・・・
①目に見える現象を扱うこと。
②現象の背後に隠されている原理・原則を発見する。
③学術によって②を発見すること。
1.どの学問でその現象をとらえるか。
2.その学問でこれまでに、どのようにとらえられてきたか。
ここでは「目に見える現象」を「問い」として設定し、大学の「〇〇学」という学問でその現象をとらえ、原理・原則を発見していくことが「研究」「探求」である、という定義をお話いただきました。「自分の好きなこと×学問」でいわゆる「調べ学習」を行ってきた生徒たちは、今後、自分の立てた「問い」が「目に見える現象」なのかどうかを確認し、その先で「学問」「学術」という分野から、根本的なしくみや規則を導き出していく、その手順について説明して下さいました。
「説得の方法」には・・・・
① 大量のデータを集める方法
② 複雑かつ長い論理をつくる方法
③ データの切れ端をつなぐと全体が論理的に説明できると主張する方法
なんでもかんでもデータがあればよいというわけではなく、学問分野によって、データが必要なものもあれば、データを集めることが難しかったり、そもそもデータから分析することができない分野であったりするため、いろいろなアプローチ方法があるということをお話しされました。自分の研究がどの領域で、何を明らかにしようとするかによって手法も記述も説得の仕方も変わるということでした。
内容的には結構高度なお話で、生徒諸君はついてこられているだろうかと、ちょっと心配になりましたが、画面を見つめる姿は、真剣そのもの、という生徒も多く、頼もしさを感じました。神崎先生は、そうした生徒たちから出た「宿題」についても言及し、その具体例から、今後考えられる論理の進め方に対するアドバイスをして下さいました。
最後にお話いただいたのは「ちゃんとスタートとゴールを明確にして、きちんと計画を立てて進めていこう!」ということでした。一歩進んで、悩んだらもう一度戻ってみるのも良し。しっかりとした計画ができていれば、これからお世話になる「リサーチ・サポーター」の先生とも相談しやすいし、自分がつまずいている部分がより明確になるから、ぜひ頑張っていきましょう、という励ましのお言葉をいただきました。
この度は 「新型コロナ禍」という、極めて不自由な空間の中で「どうやって探究論文に取り組んだらよいのか」がまったく見えなかった生徒諸君も、各自受け止め方の違いこそあれ、「まずは動き出そう」という気持ちになる契機として、大変ためになるお話をいただけたと思います。神崎先生、お忙しい中、本当にありがとうございました。