400年以上前、仙台からセビリアに渡った支倉常長の慶長使節団の歴史を、日本とスペインの生徒たちが一緒に辿る日が来ました。ここがスペインだとは信じられない瞬間がたくさんありました。
互いの文化の接点を両国生徒が共に学ぶ、感慨深い日です。学校のあるコルドバからバスで2時間ほどにあるセビリアのコリア・デル・リオという町を訪問しました。
そこには、400年前に日本からスペインに渡った日本人の子孫がハポンという名字で700人ほど暮らしています。約40年前、そこに暮らすハポンさんが遠藤周作の小説「沈黙」に出会い、自身のルーツについて気付いたそうです。
日本人の末裔であるロベルトさんの案内を受けました。400年前日本からの船が着いた川のほとりには、支倉常長の像がありました。
その隣には、天皇陛下が桜の木を植樹された記念碑がありました。毎年村では灯篭流し、桜祭りが開催され、日本語が第2言語としてスペイン語の横に記されていました。
市庁舎で温かい歓迎を受けました。市庁舎正面入り口には、EU、スペイン、セビリアの旗と並んで、日本の旗がありました。
市の歴史資料研究所には伊達政宗からの手紙が保存されていました。当時の年月日、政宗の署名などを読み取ることができました。
ラス・ドゥエーニャス宮殿を訪問し、慶長年間に日本人を受け入れた貴族の子孫、カエタノ・マルティネス・デ・イルホ侯爵と面会しました。
当時伊達政宗の手紙を祖先が受け取ったのと同様に、生徒が日本語で和紙に記した感謝の手紙を渡しました。また、平和を願って千羽鶴も渡しました。世界が平和になる願いを込めて、工学院の高校生が折ったものです。
生徒の感想です
学年のみんなの力を借りて作った千羽鶴。日本の素晴らしい文化と世界の平和を願う心を載せて、スペインへ送りました。
今日はセビリアのコリアという町に来ました。私たちがここに来た理由は、スペインと日本の関わりを深く学ぶためでした。
実際に町を回ってみると、日本と関わりのある像やお店、建物がたくさんありました。
最近のものでは、令和2年と説明に書いてあるのもあり、スペインと日本は今でも関わりの深いところであると感じました。
町並みはとてもきれいで、同じ地球とは思えないくらい素晴らしかったのを覚えています。残り少ない時間ですが、全力で学び、楽しみたいと思います。