朝のRokhakチームのミーティングでシンゴ君は「日本で調べて知っていたこと」と「カンボジアに来てわかったこと」の違いを語っていました。現場に行かなければわからないことは多いことに気づいた、ということです。そして、ここでMoGのミッションをもう一度確認することになります。
「世界を見に来たんじゃない、世界を変えに来たんだ」
現地起業家とのプロジェクトを推進させることと並行しながら、本日、生徒たちはスラム街を訪問します。生徒は何を感じ、何を考え、そして、どう動くのか。1日を見守っていきます。
カンボジアの課題が集まるスラムで、手をつないでハッピーになる子どもとアンナさんのショットから。子どもたちの輝く笑顔、強く握られた手…、君たちの中に何が残りましたか。
生徒たちは3カ所のスラムを訪問しています。雨季の「水」がキーになります。
生徒が廻ったスラムを順に記すと、最初に訪問したのは、雨季になっても住み続けることはできるものの、街の周辺まで水が来て、引いた後には大量のゴミを残していくスラム、次は、雨季になると周囲が水で覆われて住めなくなるもっとも劣悪な環境のスラム、そして、最後に、地代が安い、もしくは取られない水上で生活する人々の住むスラム、の3カ所になります。
40分程度シェムリアップの中心街からバスで移動したところに、1つ目のスラムがありました。バスの中では、みんなでの遠征で浮き浮きしていた生徒も、到着後、次第に言葉を失っていきました。
最初のスラムにはスロワーズさんの商品を生産している工房もありました。2人の女性が商品を作っています。一人の女性は大学に行き、将来教師になるために働いています。年間USドルで600ドルの学費が必要ということです。スロワーズさんのMission、女性の自立のための社会起業、得心できる現場です。グローバル経済が押し寄せているカンボジア社会において、女性たちに、日々の生活が少しでも潤うようにしたい、未来の選択肢を持たせたい、トイレや洗濯機を買えるようにしていきたい、という思いがスロワーズさんにあることがわかりました。カンボジアの女性の幸せについて尋ねたところ、多くの女性は「結婚して、幸せな家庭を持つこと」とおっしゃっていました。未来への選択肢が多いということは、とても幸福なことなのです。
次に訪れたスラムは、その日暮らしの収入で生活している人々の村でした。衛生施設は全く整備されていません。最も厳しい現実に置かれたスラムでした。マネー経済から放置されている環境です。豊かな土地では1日1ドル以下で生活している豊かな人々が世界にはいます。が、ここは違いました。そんな中でも子どもたちの笑顔はキラキラしています。アンナさんと手をつなぐことができて、嬉しくってしょうがないという子どもたちがいます。手をつないでくれる、それだけでこんなにハッピーに子どもたちはなる…。普遍的な子どもの姿なのでしょうか。子どもたちの笑顔とキラキラした瞳を生徒たちはどのように感じたのでしょう?
3つ目のスラムは、東南アジア最大の湖、トンレ・サップ湖(琵琶湖の4倍)からの支流沿いにある、水上のスラムです。ボートの上からの見学になりました。ベトナムからやってきている人が多いという都市伝説的な話もあるとタニヒロさん。カンボジア社会の問題の現実を見た生徒にとって、ボートでの移動はクールダウンの時間になったかもしれません。水の力で癒されたこともあったのではと思います。
カンボジアの問題を目の当たりにした生徒たち。ホテルに帰着後、すぐにそれぞれの仕事場へ向かいます。昼食はテイクアウトで。N’s BASEに向かうと、店舗では、マサミさん、サエさんが商品開発に向けティーダさんと熱心に作戦会議、日本から持ってきたビーズ等の材料に創作意欲を燃やすティーダさんの様子が見て取れました。ティーダさんのモティベーションを高めたいという2人の目標は見事に成功しています。2階(今後はスタジオと表記)ではRokhakのスロワーズさんと商品開発チームがさらなる商品化に向けて本音の話し合いをしています。隣ではRokhahチームのシンゴ君、コウキ君がスタッフとSNSの展開について詳細な打ち合わせをしています。そう、ここはスタジオなんです。新たな価値の創出に向けて活気に満ち溢れる空間になっています。ユクリさんとシュンソウ君は物凄い数のインタビュー(100組に近づくのでは?)形式の市場調査を実施、データ処理をショウタロウ君が実施しています。ヨシコさんは、ティーダさんとデザインをすり合わせ提案しています。そうそう、将来建築士を目指すオウタ君は店のディスプレイを担当し、商品の配置を変えています。Before、After…商品が選びやすく分かりやすく店の内装が様変わりしました。トレーナーの皆さんも、一人一人の生徒と対話を通して、アスリート(生徒たち笑)のコンディションをケアして下さっています。
カンボジア社会の課題を見た彼等は、現実を受け止め、そして、落ち込んでいない…、さらに力強く前進している。その確かな手応えを感じた4日目のMoGになりました。元気に、自分の軸を持ちながら取り巻く“世界”の多様性に心を開きながら、開眼しながら、生徒たちは日々たくましくなっています。
Rokhakチームが商品のキーコンセプトを考えるミーティング後、コースケ君がボソッと自分に言い聞かせるように語った一言で今日のブログを終わります。
「スラムに行って僕の中の何かが変わりました」