3月2日㊏に高等学校の第75回卒業式を挙行いたしました。
2023年度の卒業生は227名。式においては中野校長より各クラスの代表者に卒業証書を手渡され、卒業の認定が宣言されました。
また工学院大学理事長をはじめとする多くのご来賓にもご列席いただき、温かいご祝辞を賜りました。ご来賓の皆さま誠にありがとうございました。
中野校長式辞(PTA広報誌より)
未来を創造する工学院大学附属高等学校第75期生のみなさんへ
工学院大学附属高等学校第75期生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。また、ここまでお子さまを見守り、応援してくださったご家族のみなさまに心からお祝い申し上げるとともに、敬意を表します。
私が2021年4月に着任し、最初に入学許可を宣言したのが第75期生のみなさんでした。私はみなさんと一緒にこの学校に入学した同期生のようなものです。そのみなさんが、今日、本校から巣立っていくかと思うと、感慨もひとしおです。
みなさんが1年生の時は、正課活動も、課外活動も、COVID-19による厳しい制限下での活動が余儀なくされました。その前年度に比べれば、活動できることが増えたとは言え、まだまだ窮屈で、寂しい思いや残念な思いもたくさんしたことと思います。2年生になって、制限が徐々に緩和され、できることも増えました。体育祭や夢工祭もお客様を招いて実施しました。また、Global ProjectやMoGも実施することができました。3年生になり、COVID-19が2類相当から5類へと変更され、それ以降、世の中は「コロナ前」に戻っていきました。本校においては、単純に「コロナ前」に戻すのではなく、「コロナ前」のよかったところと「コロナ中」に学んだことを融合し、新しい「コロナ後」を創造しようと挑戦しました。人類が多大な犠牲を払って過ごした「コロナ中」に、我々が否応なく学んだことはたくさんあります。今まで当たり前だと思いこんでいたことに、改善の余地を見つけて反映させるなど、新しい価値の創造も進みました。新しい価値と言えば、今、ChatGPTをはじめとする生成AIが我々の生活を支える柱になりつつあります。AIは人間の能力を大幅に拡大する拡張機能と言えます。その AI を適切に活用し、よりよい社会を創造していくのはみなさんです。工学院大学附属高等学校での経験を活かして、目標を見失わず、しなやかに対応し、新しい時代を逞しく切り拓いていってください。みなさんが大きく飛翔することを確信するとともに、みなさんの未来が幸福に満ちていることを祈念しています。
卒業生代表答辞
開花を待つ桜の蕾の息吹が感じられる今日この頃、校庭の緑も春の日に照らされ、鮮やかに輝く季節となりました。
本日は、私たち第75期卒業生のためにこのように盛大で心温まる卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。また、ご多忙の中でご出席くださいましたご来賓の皆さま、保護者の皆さま、在校生代表の皆さん、卒業生一同より心よりお礼申し上げます。先ほどより皆様から頂いた数々のお祝いや激励のお言葉を胸に、本日私たち227名は卒業します。
振り返ると、ここ工学院大学附属高等学校で過ごした3年間はさまざまな感情と向き合い、自分を見つめ直した日々でした。私たちの高校生活はオンライン授業から始まり、胸の奥にはどこか漠然とした不安を抱えながらのスタートでした。また、行事に関しても中止や規模縮小が常識となり、思うようにいかない日々が続いていました。
しかし、幸いにも高校2年生になる頃にはいろいろな制限も緩和され始め、「回線が悪かった」という言葉も懐かしいものとなっていました。
高校2年時に行われたGlobal ProjectないしMoG(Mission on the Ground)は単なる修学旅行ではなく、世界にⅿを向けた活動であったため、貴重な体験をすることができました。しかしそのため現地の活動では上手くいかなかった多くあり、仲間たちとたくさんぶつかり合うこともありました。
高校3年生になると授業は午前中で終わり、クラスの友人などとの触れ合いも減りました。今まで以上に孤独感を感じ、目指す未来が見えず、焦燥感にさいなまれ涙する日々も多くありましたが、自分だけでなく、共に歩む仲間や家族、先生方の支えにより、立ち向かうことができました。
これまでの日々はあまりにも速く過ぎ去っていきましたが、家族や友人、先生方と共に過ごした時間は私たちにとって宝物です。皆さんがいてくれたからこそ、私たちは今日、この瞬間を迎えられています。
これから大学、短大、専門学校へ行き、社会へ出て、自分のやりたいことを見つけて挑戦をしたり夢を語ったりしていく中で、もちろんすべての挑戦がうまくいくわけもなく、失敗したり、挫折したり、努力が報われなかったりすることもあります。
しかし、この学校で過ごした3年間で、私たちはこの世に失敗なんて存在しないということを学びました。
例えば、失敗した経験をみんなの前で話して笑い話にしたり、失敗の捉え方を変えてみたり、成功するまで頑張ってみたり、そうすることによって、「あぁ、あの時回線が悪くて良かった。」「Global ProjectやMoGで互いにぶつかり合って良かった。」「勉強がうまくいかずに涙できて良かった。」などと思えるようになるのです。
『挑戦・創造・貢献』これはこの学校の校訓であり、私たちがこの学校に来て一番最初に、そして一番最後まで贈り続けられていた学校からの想いです。
私たちがこれまでしてきたように、これから先未来においても失敗を恐れず多くの挑戦をし、「正解」で溢れすぎてしまったこの世の中に、私たちなりの価値を創造していきます。そして、未来への貢献の使命を受け継ぎます。
心地良い春風が吹き抜ける今日、私たちは花開く若葉のように希望と活力を持ち、皆さんとの素晴らしい思い出と共に、新たな一歩を踏み出します。
最後になりましたが、学校生活を送るうえで多くの支えとなりました校長先生をはじめとする諸先生方、友人、家族、在校生の皆さんに改めて感謝するとともに、工学院大学附属高等学校のさらなる発展を卒業生一同よりお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。
令和6年3月2日
卒業生代表 高橋朋希(元生徒会長)
式終了後は各教室へ戻り、保護者の皆さまにもご参加いただき、最後のホームルームが行われ、担任より生徒一人一人に卒業証書が手渡されました。
また午後2時より京王プラザホテル八王子へと会場を移し、PTA卒業対策委員会主催による「卒業パーティ・謝恩会」も催され、友人や先生方との最後の時間を楽しんでいました。ご準備いただいた卒業対策委員会の皆さま、どうもありがとうございました。
尚、今年度の卒業生の大学合格実績は本校の公式サイトからご覧いただけます。
卒業生の皆さんが新たに始まるステージでますますご活躍されますことを、教職員一同心よりお祈り申し上げます。