JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL OF KOGAKUIN UNIVERSITY <OFFICIAL BLOG>

工学院大学附属中学校・高等学校<公式ブログ>

オンラインだからできること~教育界を超えた学び②

オンラインだからできること~教育界を超えた学び②~ 

 

先週に続き、高等学校1年インターナショナルクラスのHRでは、各界で活躍されている方をお招きし、その方の経験やお仕事、将来の展望などについて語っていただいています。 

 

5/28(木)は、高2インターナショナルクラスと合同で、現在日本にて修士課程を取得し母国にもうすぐ帰国する予定である南スーダン出身のSeme Nelsonさんにzoomを通じてHRに参加いただきました。 

 

f:id:kgi-ymg:20200531072624p:plain

難民時代

Semeさんは、現在南スーダン共和国となっているスーダン南部に生まれましたが、内戦から逃れ隣国で難民としての生活を余儀なくされていました。その後さまざまな国で教育の機会を得て、途中仕事に携わっていたこともありますが、直近の二年は日本にて修学、平和研究の分野で修士号を近々取得する予定です。 

 

将来の夢は明確であるが、そこに至る道は一つとは限らないと考えているとのこと。 

そして人と支え合いながら目標に向かうべきとのこと。 

 

f:id:kgi-ymg:20200531072657p:plain

将来の夢

f:id:kgi-ymg:20200531072747p:plain

目標に向かうステップ

質疑応答では、生徒が日本の良いところと直した方がいいところなどを、質問していました。 

 

日本人はとても誠実という、先日本校で講演をしていただいた元国連大使の吉川元偉さんと同じコメントした。また、日本人はあまりに真面目過ぎて間違えることを恐れるから、そこはあまり心配しすぎずチャレンジしたほうがいいのでは、とのこと。トライ&エラーの精神ですよね。 

ただ、もしかしたらこれは、両方の要素が深く関わっているのかもしれないですね。 

非日本人として、しばらく日本社会で生活した方による日本人の考察は、とても興味深く共感できるものだったことと思います。 

 

f:id:kgi-ymg:20200531072822p:plain

質疑応答

いくつか生徒の感想を。 

海外で経験したことで、何を自国でシェアしたいかという質問で、コンビニや基本的な施設かと私は思いましたが、Semeさんは争いごとをやめて、お互いの認め合い共存していくこと、と答えていらっしゃって、幸せ平和の概念の違いや、スーダンは私の持っているイメージ以上に深刻な現状に直面していると実感しました。 

 

Semeさんの学び続ける力と、他国の文化をチャレンジととらえる感じがとてもすてきだなと思った。何をしているときに一番楽しいか聞いたときに、人と集まることだと言っていて、優しくてとてもポジティブなんだなと思った。私も他国の文化を積極的に理解できる人間になりたいなと思ったし、Semeさんのように、探求心を持ち続けたい。 

 

I've noticed how amazing Japanese people are. The lecture also encouraged me to get out of my comfort zone and do something new. 

 

Semeさんのように、恐らく日本では当たり前のことが当たり前に存在しない環境で過ごした方のお話というのは、生徒たちに前向きな姿勢をもたらしたことと思います。 

 

ところで、短い交流時間の中で気づいた生徒もいるかもしれませんがSemeさんはいつも表情がにこやかです。いくつもの国を渡り歩き様々な経験を重ねた人が自然に身に着けた人に受け入れられるためのスキルの一つなのでしょうか? 

 

 

さて、このスピーカーセッションを通じて、多くのスピーカーの方が、様々な異なる場所でのチャレンジを積み重ねていることを感じ取ってくれたと思っています。 

それにより刺激を受けたという意見も多く聞かれました。 

短い時間の中で、一人ひとりの何十年分の経歴と将来の展望を聞いた訳ではありますが、その裏にある膨大な努力は想像できるでしょうか。 

色々とヒントを得て、今後の学びに活かしてほしいと願います。